公開日:2019/09/05
更新日: 2019/09/05
キーワード:python 初心者
文字数:6500文字(読み終わるまでおよそ11分)
この記事でわかること
- pythonの初心者が知るべき基礎知識や、しておくべき事前準備
- pythonを効率よく学ぶときに役立つ目的別の学習方法
- 仕事で通用するスキルを得たいときにおすすめな教室や書籍
はじめに
python(パイソン)は、データ解析や機械学習、Webアプリの制作など優れた実用性でさまざまなことができるプログラミング言語です。
ただ汎用性が高いため、目的に合わせた学習をしないと、いたずらに勉強時間を増やす可能性もなくはありません。
この記事では初心者の人向けに、Pythonでどんなことができるのかを網羅的に解説。その上でケース別の学習法や、さらに上のレベルを目指したいときの手段などをご紹介します。
ちなみに別の記事では、pythonの効果的な練習方法について詳述しています。合わせてチェックしてもらえるとより効果的に勉強できるでしょう。
1.pythonでそもそも何ができる?基礎知識と学習のための事前準備
まずこの章で、pythonでできることや勉強する上での注意点を見ます。
開発環境の仕方や、おすすめの事前学習サイトもピックアップしているので、pythonを身につける上で必要な準備ができるようにしていきましょう。
①pythonで実行できること
pythonでは、主に次のようなことが実行できます。
- Webスクレイピング
- データ加工
- データ解析
- AI(機械学習やディープラーニング)開発
- Webアプリの開発
- 業務効率化
②pythonを学ぶときの注意点
上記のように、さまざまなプログラムを構築できるpythonですが、学ぶ上で注意しなければならないポイントがいくつかあります。後々勉強したことが徒労に終わることもあるので、セットで抑えておきましょう。
スマホアプリ開発には不向き
pythonは、スマートフォン専用アプリの開発には向いていません。JavaやKotlin、Swiftなどのプログラミング言語を利用しましょう。
実行する速度が遅い
実行速度は、C言語やC++などと比較すると遅めになっています。これはソフトウェア開発の物理的な時間に関わるので、「絶対にpythonでないと無理」という場合以外は、念のため比べておくのが無難です。
バージョンが2種類ある
pythonには現在、「python2」と「python3」の2種類のバージョンがあります。「python2」は2020年にサポートサービスが終了するため、これから学ぶ初心者の方は「python3」にしましょう。
ただそれぞれは一部互換性がないため、現在も「python2」が使われているところが少なくありません。細かいところでつまづく可能性がゼロではないので、留意しておいてください。
③python学習に必要な事前準備と基礎知識
開発環境を準備する
pythonを使うために、開発環境を準備する(自分のパソコン上でpythonを実行できるようにする)必要があります。
pythonのインストールの仕方は、以下のとおりです。
Windowsの場合 pythonの公式サイトにアクセスし、Windows版をダウンロードします。 ダウンロードしたファイルを開き、セットアップ画面が出たら、最下部にある「Add Python ○.○ to PATH」(○のところにはバージョンに応じた数字が入ります)に必ずチェック。その後、「Install Now」をクリックします。 ※公式サイトのWindows 環境のPythonも合わせて確認してください。 |
Macの場合 pythonの公式サイトにアクセスし、Mac版をダウンロード。Macにはすでに「python2」が入っている場合がほとんどですが、上述の通り、初心者の方は「python3」推奨です。 ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に沿ってインストールします。 実行にはSSL証明書が必要のため、アプリケーションフォルダを開いて「python3」のフォルダを開き、「Install Certificates.command」をダブルクリックしてインストールしましょう。 ※公式サイトのmacOS環境のPythonも合わせて確認してください。 |
インストールが終わったら、コードを入力する専用のソフトウェア(IDE・統合開発環境)を用意します。代表的なものは、PyCharmやAtomです。
IDEでコードを記入したファイルは、pythonの拡張子「.py」をつけて保存しましょう。正しく入力されていれば、コマンドプロンプトでファイルを実行すると指示通りに表示されます。
マシンスペック
pythonを使うと一言にいっても、pythonを実行する環境やプログラミングするための開発環境、データベースなどが必要です。
場合によっては別のOSで実行できるか確認するための仮想環境、専用のWebサーバーなどを用意しなければなりません。そのため、多数・多容量のソフトウェアを一度に、円滑に動かせるスペックがないと、思うように作業が進まずストレスになります。
以下は、マシンスペックの最低ラインです。なおプログラミングの場合、セミナーや打ち合わせなどに持ち込めるメリットから、デスクトップよりノートパソコンにやや軍配が上がります。
CPU | Core i5の8000番台 |
メモリ | 8GB |
画面の大きさ | 13インチ |
ストレージ | SSD・512GB |
基本用語&基本文法
pythonには、他の言語と同じように覚えるべきルールがあります。「変数」「インデント」「ブロック」などの基本用語と、演算の仕方や文字列の連結、条件分岐といった基本文法は抑えなければいけません。
種類については、以下のサイトに詳しく紹介されています。
事前学習におすすめのサイト
pythonでは覚えなければいけないことが多いのですが、どの場面で使うのか理解していない丸暗記ではあまり意味がありません。
そこでおすすめなのが、インターネットにある学習サイトの利用です。実際にコード入力をしていくので慣れるのはもちろん、用語や文法も体系的に覚えることができます。特に以下のサイトは、pythonをインストールしていなくても勉強できるので、利用を検討してみてください。
progate 初心者向け学習サイトです。基本的な使い方から「料理注文システム」などを開発・加工できる技術まで、順番に学ぶことができます。 |
paizaラーニング 初心者から中級者向けの学習サイトで、pythonの基本だけでなく、pythonを使った機械学習やWebアプリの開発が学べる講座があります。プログラミングの初歩を学べる「Python3入門編」は、現在全11レッスンが無料です。 |
2.pythonを効率よく学ぶには?4つの目的別・学習のアプローチ
前章で見てきたように、pythonは多くのプログラムが実行できる分、覚えることも多岐にわたります。
そのため基本を抑えたあとは、やりたい目的に沿った内容を、実践ベースで身に着けていった方がよいでしょう。
ここでは、
①データ分析、解析をしたい場合
②機械学習をしたい場合
③Webアプリの開発をする場合
④業務の効率化を図りたい場合
に分けて、それぞれの勉強方法についてご説明します。
①データ分析、解析をしたい場合
pythonを使えば、膨大なデータからスムーズに価値のある情報を取り出せるようになります。顧客の購入情報から、どのようなアプローチをすれば売上向上に繋がるのかといった解析ができ、ビジネスに貢献できます。
pythonでデータ分析や解析をする場合、Webスクレイピングによるデータの抽出作業、用途に応じた加工処理、データを解析しやすくる可視化の技術が必要です。従って、最低でも次の内容を抑えなければいけません。
- ライブラリ(Numpy、Pandas、Matplotlibなど)の使い方
- HTMLやCSS
②機械学習やディープラーニングをしたい場合
pythonは、AI(人工知能)に最適なプログラミング言語です。これにより自ら学習して最適なデータの抽出を行える機械学習や、その発展型となるディープラーニングの開発ができます。
AI開発の業務を行うためには、pythonのほかに次のような知識を身につけなければいけません。
- ライブラリ(Numpy、Pandas、Matplotlib、scikit-learn、Tensorflow、Chainerなど)の使い方
- 機械学習
- 数学や統計
- SQL(データベース操作技術)
- クラウド
③Webアプリの開発をする場合
Webアプリとは、オンライン上で動作するアプリケーションソフトウェアのこと。インターネットに繋がっていれば、別の端末でも利用できるのがメリットです。例えば上記のデータ解析や機械学習をWebアプリとして開発すると、別のパソコンやスマートフォン、タブレットから使うことが可能になります。
次の項目は不可欠な知識と把握してください。
- DjangoやFlaskなどのフレームワーク(Webアプリを作るときに必要な機能をまとめたライブラリ)の使い方
- Webアプリの構造
- HTMLやCSS
- SQL(データベース操作技術)
④業務の効率化を図りたい場合
pythonは、ライブラリやAPI(ソフトウェアの共有)を使って単純作業を自動化できます。ファイル名やデータの更新、エクセルの読み書き、Webスクレイピング、Gmailのメール送信などの手間を省き、大幅に業務を改善することが可能になります。
pythonの基礎知識を身につけた上で、次のスキルを身につけておくといいでしょう。
- ライブラリ(Selenium、openpyxlなど)の使い方
- API(GoogleやSNSなど)の使い方
3.python上級者を目指す!仕事で活躍するためには
pythonは、ビジネスに大きく貢献するプログラムを作成できる言語のため、多くの企業から注目を集めています。
そこで最後の章では、仕事に通用するレベルに行くための方法をご紹介しましょう。
①プログラミング教室に通う
より実践的なpythonの技術を身につけるには、やはりプログラミング教室を始めるのがベターです。下記におすすめの教室をピックアップしたので、参考にしてください。
TechAcademy
TechAcademyでは、実務に近い形で学習でき、ジョブチェンジにも役立つスキルを磨けるのが特徴です。pythonを使った機械学習が勉強できる「pythonコース」、AIの構築に必要な技術が習得できる「AIコース」、pythonのライブラリを使ってデータ解析を行いたい人向けの「データサイエンスコース」などが用意されています。
料金は、いずれのコースも次のようになっています。
4週間プラン | 139,000円 |
8週間プラン | 189,000円 |
12週間プラン | 239,000円 |
16週間プラン | 289,000円 |
侍エンジニア塾
侍エンジニア塾は、仕事ですぐに活躍できるようにオーダメイドのカリキュラムを組んでくれるのがメリット。またポートフォリオとして使える、オリジナルのWebサービス開発の授業があるのも魅力です。
コースは、エンジニアデビューを目指す「Debut」、フリーランスになりたい人向けの「Freelance」、高単価案件の獲得を目指す「Business」の3種類があり、python以外の言語も勉強できます。
料金は以下のとおりです。
Debut(受講期間1ヶ月) | 168,000円 |
Freelance(受講期間3ヶ月) | 438,000円 |
Business(受講期間6ヶ月) | 698,000円 |
Aidemy Premium Plan
Aidemy Premium Planは、pythonに特化した授業でデータ解析や機械学習、ディープラーニングなど最先端の技術を学べる教室です。コースは「AIアプリ開発コース」「データ分析コース」「自然言語処理コース」「LINEチャットボット開発コース」「Rettyコース」などがあります。
料金は、いずれのコースも同じです。
1ヶ月 | 14,400円~ |
3ヶ月プラン | 480,000円 |
6ヶ月プラン | 780,000円 |
②独学でスキルを上げたい場合
プログラミング教室とは別に実践スキルを磨きたい場合は、次のような方法があります。教室を検討している人も、学習効率が上がるので試してみてください。
書籍で読む
pythonを勉強するとき、ただ闇雲にコードを打ち込んだり、インターネットの情報をバラバラに取り入れても実践レベルには届きません。上述した学習サイトの利用と合わせて、以下の本を読んでみるといいでしょう。
コミュニティを作る
SNSなどを使って、コミュニティを作るのも有効な方法です。仲間を見つけることでスキルアップに役立つ情報の収集やアイデアの交換ができ、モチベーションの低下を防ぐことができます。
4.まとめ
- pythonの守備範囲は広いので、初心者はまずpythonで何ができるか把握しよう。
- 環境開発や必要なパソコンを準備して、基礎文法や基礎知識を抑えることが第一歩。
- ひとつ上のレベルを目指すならプログラミング教室へ。独学の場合は書籍やコミュニティを利用する。
おわりに
pythonは、マルチに使える言語だからこそ学ぶことが多く、初心者の方はその量に途方に暮れがちです。
まずは、この記事で紹介したことを上から順に、焦らず取り組んでみてください。その上で、他の記事についてもチェックしてもらえたら幸いです。