公開日:2019/09/09
更新日:2019/09/09
キーワード:データサイエンティスト 求人
文字数:4500(読み終わるまでおよそ7分)
この記事でわかること
- データサイエンティストの募集内容からわかる求人傾向
- 求人を探すときに利用したい転職サイトと転職エージェント
- データサイエンティストの転職が成功しやすくなるノウハウ3つ
はじめに
ビッグデータの分析から適切な予測を行い、事業戦略の立案や業務の効率化に貢献するデータサイエンティスト。
クラウド技術の発展を皮切りに注目が集まり始め、現在では多くの企業から求められるようになっている人材です。IoTやAIなどの目覚ましい進化などで、今後ますます需要が高まるとも考えられています。
ただ追い風があるからと言っても、おざなりに企業を選んだり面接に挑むのは、確実に後悔するためNGです。この記事で求人傾向や探すときに使いたいサイト、希望に近いデータサイエンティストになるために必要なノウハウなどをご紹介しますので、応募する前にぜひ目を通してください。
比較的転職者向けの内容となっているので、データサイエンティストそのものについて知りたい人は、別の記事を読んでもらえると幸いです。
1.どんな条件が多い?データサイエンティストの求人傾向
データサイエンティストの求人について、まずはどのような条件、形態のものがあるのか、ざっくりとご紹介していきましょう。
①データサイエンティストの年収
データサイエンティストの年収は、平均で約600万円となっています(2019年9月現在)。ただし、当然ながら雇用形態や企業によって大きく幅がありますので、あくまで目安としてください。
②必要なスキル
データサイエンティストの場合、企業によって求める業務範囲が異なり、一概に持っていれば安心と言えるスキルはありません。しかし下記は、データサイエンティストの基本のものとなるので身につけておきましょう。
- ビジネスモデルを深く理解し、経営視点に立って物事を考えられるスキル
- データ収集し、わかりやすいフォーマットに落とし込むスキル
- 収集したデータを分析できる統計学的能力
- Python(パイソン)、R、SQL(シークェル)などのプログラミング言語スキル
- 機械学習やディープラーニングへの理解
③会社のタイプ別の傾向
大まかな分け方ではありますが、採用する企業が事業会社か受託会社かによっても、スタイルは異なってきます。
事業会社
事業会社とは、主に自社サービスの開発を中心とした企業のこと。
特にベンチャーやスタートアップのような企業の場合、働き方や裁量がある程度自由であるケースが多いでしょう。またその性質上、自社のサービスに深くかかわっていく形となります。
技術的な部分だけでなく、ビジネスの全体像に触れることができるでしょう。
一方で、スキルセットや採用企業のステージによって、給与水準が低かったり、またデータ解析以外の業務を担当しなければならない可能性もあります。
受託会社(コンサルティングファーム)
受託会社は、他のクライアントからの依頼を事業の中心とした企業のこと。
「自社内に専門のデータ解析部署を作るのが難しいので代行してもらいたい」「純粋に客観的な意見が欲しい」
「新規事業の立ち上げのサポートをお願いしたい」
など、多様な課題の解決を求められるため、さまざまな経験を積むことができます。その一方で、ポジションによっては、クライアントからの要望を的確に汲み取るスキルが求められます。
また、打ち合わせ等の日程は基本的にクライアント都合となるため、働き方については制限が比較的大きくなりがちです。
外資系企業
事業会社・受託会社以外に加え、外資系企業にも一定の特徴があります。
多くの場合、入社には一定水準の技術力が求められ、加えて語学力が必要となるケースが多くあります。
年収は平均約900万円(2019年9月現在)。
ただし、英語力不問としている企業などの場合は、給与水準も日本企業と同程度であることが多いようです。働き方についても同じで、独自のルールに基づいて組織化されている場所もある一方、日本と変わらないこともあります。
補足:データサイエンティストの呼び方いろいろ
データサイエンティストはニーズがありながら、「何をすればデータサイエンティストなのか」定義が統一されていないのが実状です。
そのためか、「求めている人材はデータサイエンティストなのに、違う呼び方をしている」求人情報が多く見られます。
よくある名称を下記の通りまとめてみました。
- データアナリスト
- BIアナリスト
- 機械学習(ML)エンジニア
- AIエンジニア
そのほかにもさまざまな名称があるため、実際の業務内容を事前によく確認しておくようにしましょう。
2.求人情報を探そう!転職サイト・転職エージェントを一挙紹介
データサイエンティストの求人を探す場合、エンジニアのコミュニティからの紹介であったり、あるいは直接、会社が募集している求人に応募したりする形が一般的です。
ただし、まだ経験が浅い場合や、そもそも求人を探す時間がとれないような場合は、転職サイトやエージェントを利用するのもひとつの手段。
探す手間が省けるほか、まずはどのような求人があるのかを把握できるというメリットもあります。
ここでは、
①転職サイト
②転職エージェント
の2種類の方法をご紹介します。
①転職サイトを使う
転職サイトを利用し、自分の期待する条件にあう求人がどの程度あるのか、まずは調べてみるとよいでしょう。
以下に代表的な転職サイトを5つピックアップしたので、活用してみてください。
doda(デューダ) | 「データサイエンティスト」の転職・求人検索結果 |
Indeed(インディード) | 「データサイエンティスト」の求人 |
Green | 「データサイエンティスト」の求人・採用情報 |
ミドルの転職 | 「データサイエンティスト」の転職・求人情報一覧 |
パソナキャリア | 「データサイエンティスト・データ分析」の求人・転職情報 |
②転職エージェントを使う
転職サイトで検索したけど希望に合うものがない、多すぎて結局何がいいのかわからない場合には、転職エージェントに登録してみましょう。
転職エージェントとは、専門家が希望をもとに求人を見つけてくれるサービス。場合によっては、一般的な求人サイトに掲載されていない非公開求人を紹介されることもあります。
ヒアリングを通して自分の客観的な強みを理解できる、採用されやすい履歴書や職務経歴書の書き方がわかる、面接での対応の仕方を指導してくれるなど、今後の転職活動に活かせるようなサービスがあるのもメリットです。
ただ、面談を行いながら手続きを進めるため、自分で探すより時間がかかる場合もしばしば。特に働きながら探す場合は、ある程度長期間を見込んでおきましょう。面接日程の調整はエージェントが代行してくれる場合もあります。
以下、おすすめの転職エージェントです。
そのほかにも、ブログでの発信や、WantedlyやQiitaなどを通じたコミュニケーションが採用オファーに繋がるケースもあります。
3.失敗しないために……データサイエンティストへの転職を成功に導くノウハウ
「求人の応募資格を満たしている!」
「履歴書や職務経歴書、面接の対策も問題なし!」
このような場合でも、なかなかうまくはいかないのが転職の難しさ。
しかしデータサイエンティストの場合、実は求人情報にない部分を読み取れなかったことで、うまくいかないケースもあります。
この章では求人に書かれない内容は何かを解説しながら、転職を成功に導く3つのノウハウをご紹介します。
①技術力以外に必要なスキルを確認しよう
マーケティングをはじめ、企業戦略の根幹をになうデータサイエンティストには、プログラミングの技術以外にも様々なスキルが求められます。
コミュニケーション能力
データサイエンティストには、導いたデータを相手に論理的、かつ平易に伝えられるコミュニケーション能力が求められます。
もちろん、pythonをはじめ、解析結果をビジュアル化するツールはありますが、その内容を、技術的なバックグラウンドのない人にどのように伝えるか…という能力は必ず必要となります。
解析するデータが何のために行われるのか、どのような施策の検討に使われるのか…といった部分を理解したうえでの表現が求められるでしょう。
学習意欲
データサイエンティストに限らず、エンジニアは最新技術へのキャッチアップを多く求められる職種です。
特に、近年になって需要がクローズアップされたデータ解析の世界では、技術革新のサイクルが早くなる傾向にあると言えるでしょう。
特に受託会社で勤務する場合には、常にクライアントに合わせた対応が求められるため、新旧両面での技術に対応できることがベストです。
そのため学習意欲の高さは、求人募集に明記されなくても必須と言えるでしょう。データサイエンティストに関する知識以外にどのような知識をインプットし、ビジネスにどうアウトプットしてきたかを整理するといいでしょう。
ビジネススキル
データ解析はその性質上、経営陣やマーケター、開発チームといった他部署と密な連携が必要となります。
そのため、チームマネジメントをはじめとしたビジネススキルや関心も、データサイエンティストには必要となります。
会社が展開する事業を把握し、ビジネスモデル全体の強み、改善点などを洗い出せるようにしておくと、いっそう転職市場での価値は高まるでしょう。
②コンペなどを通じて実務経験を積もう
データサイエンティストを求める企業の大半は、実務経験重視です。求人に未経験歓迎と書いてあっても狭き門となっています。
ただし、実際にデータサイエンティストとして働いた経験がなくても、下記のような方法が「実務」の一部となりえます。
- Kaggle、KDD、SIGNATE、NRIインサイトシグナルなどのデータ解析コンペに参加する
- 公共機関や民間企業がAPI経由で公開しているビッグデータから、独自にコードを記述して解析をしてみる
こうした経験をポートフォリオに載せるのもよいアピールとなるでしょう。
③関連する資格を取得しよう
特に日本の場合、「資格を持っている」ということが採用者側の安心材料となります。
データサイエンティストの公認資格はありませんが、関連する資格を取得すると採用側の評価の仕方も変わります。
関連する資格4つを下記の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
統計検定 | 国内外で使える統計能力を測る試験 |
情報処理技術者試験 | 経済産業省認定の国家資格 |
オラクルマスター | 大手企業で採用されやすいデータベースの知識を問う資格 |
Python3エンジニア認定データ分析試験 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する認定試験(作成中。実施日未定) |
4.まとめ
- データサイエンティストの求人を探すときは、募集内容の傾向を見よう。
- どんな求人があるのかわかったら転職サイトで検索を。迷ったときは転職エージェントを活用する。
- 求人情報の裏に隠れ求められる人物像をイメージ。コンペや資格もある程度頭に入れておく。
おわりに
どんな転職でもそうですが、「これをすれば絶対に採用される」というものはありません。
こちらのサイトで紹介している記事を参考にしつつ、迷ったときは転職エージェントなどの意見を仰ぎ、ひとりで悩み過ぎないのが大切です。