チャットボットの作り方を簡単解説!製薬会社様の事例も紹介!

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北爪 聖也

株式会社pipon代表取締役。 キャリアはADK(広告代理店)でテレビ広告運用をして残業120時間するが、ネット広告では自分の業務がAIで自動化されていることに驚愕する。そこで、機械学習受託会社に転職し、技術力を身につけた後、piponを創業。現在、製薬業界、大手監査法人、EC業界、様々な業界でAI受託開発事業を運営。

はじめに

今回は、チャットボットを見ていきます。ウェブサイトを見ると、チャットボットを採用しているサイトが散見されます。

チャットボットは「チャット」と「ロボット」という2つの言葉を組み合わせたもので、

2016年頃からネットで話題になることが増えてきました。

チャットボットは、ユーザーと企業を結ぶコミュニケーションのツールの一つとして、注目を浴びています。

ここでは、チャットボットの基本を述べていきたいと思います。

チャットボットとは

チャットボットとは、人間が入力するテキストや音声を通じて、会話を自動的に行うプログラムのことです。これまで人間が対応していた、注文や問い合わせなどの作業を代わりに行うこともできるので、24時間対応や工数削減につなげることができます。

身近な例で言うと、iPhoneのSiriがチャットボットに分類できます。

チャットボットの応答は、一見すると知性を感じることもありますが、収集した文章や音声からキーワードを抽出し、内部のデータベースを探索して応答しているだけで、知性と呼べるほど複雑な処理を行っているわけではありません。したがって、チャットボットは「人工無脳」と呼ばれることもあります。

チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入する企業や組織は増えていますが、導入のメリットを見ていきます。

1) 検索の効率化

ホームページでは、いかに効率的にユーザーが目的の情報にたどり着けるかがポイントです。その方法の一つとして、よくある問い合わせをまとめたFAQを設けているホームページが多くあります。

しかし、FAQで必要とする回答が見つからない場合は、ユーザーはホームページをあちこち探したり、電話やメールで問い合わせたりする必要があり、なかなか欲しい情報にたどり着けません。

しかし、FAQの代わりにチャットボットを活用すれば、ユーザーはホームページを色々探すことなく、目的の情報にたどり着くことができます。ユーザーのニーズに合わせて、チャットボットは回答を準備できるので、情報検索の効率化につなげられます。

2) コスト削減

今まで、人が対応していた業務をチャットボットに置き換えることで、業務の効率化を進められるとともに、人的コストの削減につなげられます。

例えば問い合わせ対応であれば、ユーザーからの問い合わせ内容が、似ていることはよくあります。このような場合、担当者が同じような質問に対して、同じような回答をひたすら返さなければなりません。

しかし、チャットボットを使えば、頻繁に質問される内容を自動化し、人間はチャットボットでは回答できない複雑な質問に絞って、対応することが可能になります。回答業務を効率化できれば、オペレーターの人数を減らせますし、オペレーターの負担も軽減できます。

3) ユーザー満足度

例えば、企業サイトをユーザーが訪れていて、ユーザーがもう少し詳しく知りたいことがあると思った時に、チャットボットの出番です。チャットボットがなければ、ユーザーが問い合わせや資料請求を行うためには、電話やメールで企業に問い合わせる必要があり、ちょっとした内容の場合は少し面倒に感じますし、タイムリーに情報を得られません。しかし、チャットボットであれば、簡単な操作で速やかに必要とする情報を得られます。

サイトを訪れるユーザーにとって、この応答性は満足度にかかわる重要な要素です。サイトを訪れるということは、何らかの情報を求めているわけで、必要とする情報がタイムリーに得られなかったら、じゃあ別のサイトに行こうと、容易にそのサイトを離れてしまいます。

また、わざわざ人に聞くまでもないけど気になるので知りたい、といった簡単な内容の場合、チャットボットであれば気軽に問い合わせできます。

このようにチャットボットには、回答をタイムリーに得られる、相手がコンピューターなので気軽に聞けるといった強みがあります。この2つの強みが、すぐに回答を得たいという要望に応えたり、わざわざ人に聞くまでもないちょっとした質問を把握でき、その結果、ユーザー満足度の向上につなげられます。

チャットボットの仕組み

では、チャットボットの仕組みを簡単に見ていきましょう。チャットボットはサービスの仕組みから、以下の4つに分類できます。

1) ログ型

これまで記録されている会話内容を学習し、入力に対してその文脈を解釈し、入力にふさわしい回答を返してくれるチャットボットです。学習に用いる会話の量が多いほど回答の精度は向上し、ユーザーとよりスムーズなやり取りが可能です。

2) 選択肢型

事前にシナリオと選択肢を決め、ユーザーが選択肢から聞きたいことを選び、それに対して回答を返すチャットボットです。あらかじめシナリオを選択肢が決まっているので、チャットボットの作成は容易ですが、選択肢が限られているので、それ以外の質問に対しては対応できません。

3) 辞書型

事前にキーワードと回答の組み合わせを辞書に登録しておき、ユーザーが入力した文章に登録されたキーワードが含まれていれば、辞書から回答を返してくれるチャットボットです。

入力されたキーワードに反応するので、人と自然な会話をしているようなやり取りができます。また、このときに自然言語解析など、AIを活用したアルゴリズムを組み込むことで、精度を上げているチャットボットもあります。

ただし、ユーザーからの様々な入力に対してうまくやり取りするには、事前に大量のキーワードと回答を辞書に登録しておく必要があるので、この登録に時間や人手がかかるのがネックです。

また、辞書の範囲外の質問に対しては対応できないため、辞書を常にアップデートしておく必要もあります。

4) 選択肢型&辞書型

上記の選択肢型と辞書型の、両方の機能を兼ね備えたチャットボットです。シナリオの中で、ユーザーに選択肢から選んでもらいたいときもあれば、ユーザーに自由に入力してほしいときもある場合、このタイプが有力な選択肢です。

ただし、辞書型と同じく、回答の精度を上げるには辞書の整備が必要となるため、そこに時間や人手がかかるのは変わりません。

製薬会社様がチャットボットを作ろうとした場合、それは辞書型あるいは選択肢型&辞書型になってくるかと思います。

したがって、薬の専門用語などを大量に登録した辞書を作ることが、非常に重要な作業です。

例えば、塩野義製薬の「DI chat」の例を見てみましょう。DI chatは、抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」という薬に関する問い合わせに対して、回答を返してくれるチャットボットです。

この薬がどこで製造されているかを聞くために、「どこで作っていますか」と入力すると、まず自然言語処理により辞書に登録されている類似の質問「製造場所等について教えてください」を導き出し、辞書に登録されている回答「国内の工場で製造を行っていますが,具体的な製造場所,製造工場は非開示情報となります。」が返ってきます。

ユーザーが最初に入力した質問内容を、いかに辞書に登録しているキーワードに変換するかも重要ですが、さまざまなユーザーからの広範囲な質問に対して適切な回答を返すには、いかに充実した辞書を作り上げるかが、特に重要となります。

チャットボットの作り方

さて、チャットボットを作るにはどうしたらよいでしょうか。

1) チャットボット支援サービスの利用

チャットボットを一から作り上げるのは、大変な時間、労力、スキルが必要です。したがって、チャットボット初心者の方は一から作るのではなく、外部のチャットボット支援サービスを利用するとよいでしょう。

もちろん費用は発生しますが、チャットボットの作製だけでなく運用も行ってくれるサービスも多いので、プログラミングの知識がない、運用に割けるマンパワーがないと言った場合でも、安心して任せることができます。

前述の通り、チャットボットの回答の精度を上げるには、いかに辞書を充実させるかが重要であり、継続的なメンテナンスが必要です。これらをプロフェッショナルの専門家に任せることで、高い導入効果を引き出すことが期待できます。

2) アプリのAPIを利用する

独力で作成する場合、ベースとなるアプリのAPIを利用すれば、簡単なチャットボットであれば、導入はそれほど難しくありません。

例えば、LINEの公式アカウントの中には、選択肢型のチャットボットを備えているアカウントがありますが、これはLINEのAPIを使って造られています。Facebookメッセンジャーにも同様の機能があります。

3) Botフレームワークを利用する

Botフレームワークを利用すると、より複雑なチャットボットを作ることができます。また、Botフレームワークには、チャットボットのベースとなる様々なパーツが予め準備されているので、開発の労力を削減できるメリットもあります。Botフレームワークの例としては、「Microsoft Bot Framework」や「botkit」などがあります。

おわりに

今回は、チャットボットの基礎的な内容を紹介しました。近年、企業サイトでチャットボットの使用が見られるようになっていますが、効率的な検索やユーザー満足度の向上のための、有効な手段の一つと言えます。

チャットボットには色々なタイプがあるので、導入の目的を考えてその目的に見合ったチャットボットの導入を検討してください。

参考サイト

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