公開日:2019/9/18
更新日:2019/9/18
キーワード:BIツール 選び方
文字数:5000(読み終わるまでおよそ8分)
この記事でわかること
- 自社のニーズを満たしてくれるBIツールの選び方4つ
- 選び方に合わせて厳選した14のおすすめBIツール
- BIツールの選び方と一緒に覚えておきたい注意点
はじめに
蓄積されたデータを分析して課題点を見出し、企業の競争力を高めてくれるのがBIツールです。
現在、データの爆発的な増加によるニーズが高まりから、さまざまな企業から発売されています。
ただ、自社に合ったものが探しやすくなっている反面、何がいいのか見えにくいのも事実。BIツールには、選び方を間違えると時間や資金が無駄になるという落とし穴があるので、慎重にならなければいけません。
この記事では、BIツールの選び方を4つご紹介。合わせて、失敗を回避する対策を解説しています。
各BIツールを比較した記事が他にありますので、一緒に参考にしていただくのもおすすめです。
1.BIツール選び方4つ!おすすめのBIツールも厳選
まずは4つの選び方と、それぞれのおすすめBIツールをまとめた表をご覧ください。
選び方 | おすすめツール | |
①目的で選ぶ | データをまとめて可視化したい | Tableau DOMO |
課題を素早く見つけたい | Oracle BI Power BI | |
データから予測を立てたい | Qlik Sense MicroStrategy | |
②機能で選ぶ | 業種に合った機能を持つBIツール | b→dash LaKeel BI |
他にはない機能を持つBIツール | MOTION BOARD Yellowfin | |
③コストで選ぶ | Zoho Analytics Canbus | |
④使いやすさで選ぶ | Actionista! Data Knowledge |
順に詳しく解説していきます。
①目的で選ぶ
1つ目は、目的から選ぶ方法です。
ポイントは、BIツールを使って何がしたいのか、事前に明確にしておくこと。BIツールは機能が明確に決まっていることから、ユーザーのニーズは次の3つに分類できるでしょう。
データをまとめて可視化したい
「社内に蓄積された販売データや顧客データを一箇所にまとめたい」
「効率よくレポートを作りたい」
この場合は、レポーティング機能に優れたBIツールを選ぶといいでしょう。見栄えの良いダッシュボードを作成できる、グラフが豊富でデータに適したビジュアライズができるものがおすすめです。
以下、代表的なBIツールをご紹介します。
ツール | 特徴 |
Tableau | 海外の企業から高い支持を受けているBIツールです。グラフの色や配置を細かく設定でき、重要な情報がひと目でわかります。 |
DOMO | 直感的な操作でグラフを自由に配置できるのが特徴。データ統合基盤を備えているため、DWH(データウェアハウス)を用意する必要がなく、迅速に可視化ができます。 |
課題を素早く見つけたい
分析機能に優れたBIツールが適しています。
統合したデータソースから、新たな知見を発掘するデータマイニング機能のあるBIツールを検討してみてください。ドリルアップ・ドリルダウン・スライシングなどのORAP分析(多次元分析)機能を搭載していると、なおいいでしょう。
このほか、データがある一定の数値に至ったらアラートする機能を持つツールなどもおすすめです。
以下に適したBIツールを挙げておきます。
BIツール | 特徴 |
Oracle BI | Oracle Databaseで有名なOracle社のBIツール。マップ状にデータを表示したり、予測分析や非定型分析などができます。 |
Power BI | Microsoft Officeの知識があれば、データ統合から分析まで簡単にできます。 |
データから予測を立てたい
プランニングツール機能を搭載したBIツールを選びましょう。
過去データの統計から「条件が変わったときに結果がどうなるか」というWhat-if分析を行い、計画に根拠をもたらしてくれます。
おすすめのBIツールは、以下の2種類です。
BIツール | 特徴 |
Qlik Sense | ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、データ自動的に紐付けされる連想技術を採用。独自の探索機能で、今までになかった解析結果を導き出すことが可能です。 |
MicroStrategy | 大量のデータから仮説検証、変動予測ができる高度な予測分析機能を搭載しています。 |
②機能で選ぶ
2つ目の機能で選ぶ方法は、主に2つに分けられます
業種に合った機能を持つBIツールを選ぶ
BIツールによっては、営業に特化したものやデータマーケティングに適したものなどがあります。業種にぴったりなツールを選べば、導入から新施策の展開までスムーズに行えるでしょう。
以下、業種に特化した代表的なBIツールです。
BIツール | 特徴 |
b→dash | データマーケティングに特化しているのが特徴。分析したデータを元に、メールやLINE、SMSと連携しながら、顧客に適切な広告やキャンペーンなどを打つことができます。 |
LaKeel BI | ETL機能やデータ分析機能、ダッシュボード作成機能がひとまとめになったオールインワンパッケージです。標準経営分析、総人件費連動性分析、適正人件費分析、売上高分析、パレート分析・ABC分析などテンプレートが多数揃っています。 |
他にはない機能を持つBIツールを選ぶ
他では見られない新機能を使えば、競合他社の一歩先を行くことができます。ただし使いこなせないとコストを無駄にしてしまうので、あらかじめシミュレーションしておくのが重要です。
下記は、独自の機能を搭載したBIツールです。
BIツール | 特徴 |
MOTION BOARD | 世界初のリアルタイムGEOコーディングエンジンが搭載されています。住所情報から緯度経度への変換を、スピーディーに実行できます。 |
Yellowfin | AIによる自動インサイト機能、重要なデータのみをアラートする機能、データをストーリー化して共有する機能など、ユニークな機能が多数取り入れられています。 |
③コストで選ぶ
コストで選ぶときは、安さだけにとらわれず、必要な機能が揃っているかを見るようにしましょう。
またBIツールには、ユーザーライセンス型とサーバーライセンス型の2種類があります。
前者はユーザー数が増えるたびに料金が増えていくタイプ。後者は大人数で利用した場合にコストが抑えられるタイプです。現時点では少人数でも、後々に増えるのであれば注意する必要があります。
下記は、低価格ながら、ひと通りの機能が揃っているBIツールです。
BIツール | 特徴 |
Zoho Analytics | 料金は以下の通り。 ・ベーシック:月額3,000円/2ユーザー ・スタンダード:月額6,000円/5ユーザー ・プレミアム:月額15,000円/15ユーザー ・エンタープライズ:月額53,500円/50ユーザー ※年間契約すると割引が発生します。 |
Canbus | 料金は以下の通り。 ・Starter:月額10,000円 ・Standard:月額35,000円 ・Professional:月額100,000円 ※いずれもユーザー数に制限はありません。 |
④使いやすさで選ぶ
日々の業務改善を目指すのであれば、使いやすさは大切です。特に経験者が少ない場合は重要なポイントとなるでしょう。
次の項目をチェックしましょう。
チェック項目 | 概要 |
ドラッグ&ドロップ操作 | データ分析の初心者や、プログラミング言語に精通していない人でも使いやすく、自ら分析できるようになります。 |
テンプレートの種類 | 業種、業務適したテンプレートが用意されていると、ダッシュボードをすぐに作成できます。 |
モバイル閲覧 | スマートフォンやタブレットで閲覧できると、外出先でデータの確認や共有が簡単になります。中には専用アプリで操作できるBIツールもあります。 |
利用タイプ | BIツールには、クラウド型とオンプレミス型の2つがあります。 データ処理を外部で行うクラウド型は、ライセンスとWeb環境があればデータ操作がすぐにできるのがメリットです。 一方で、社内で処理を行うオンプレミス型はカスタマイズがしやすく、より企業に合ったBIツールを構築できる利点があります。 |
これらを踏まえた上で、おすすめBIツールをご紹介しましょう。
BIツール | 特徴 |
Actionista! | プログラミング言語などの専門知識を持たない一般ユーザーが、自らデータ分析することを目的に作られています。マンガによるBIの説明、無料セミナーの開催など、サポートが充実しているのも特徴です。 |
Data Knowledge | 30年の販売実績を誇る国産のBIツールです。わかりやすいポータル画面やエクセル形式での出力など、シンプルで使い勝手がいいのが魅力。解析ノウハウを共有する機能もあり、継続して使えば社内全体の知識向上も期待できます。 |
⑤合わせて見るといい情報
最後に、いずれの選び方にしても一緒にチェックするといい情報を2つご紹介します。
採用企業のラインナップ
どんな企業が、そのBIツールを使っているのか見てみましょう。特に競合他社が採用しているBIツールがわかれば、競争力を高めるときのヒントにもなります。
BIツールのサイトによっては導入実例を公開しているので、いくつか目を通してみるのもおすすめです。
BIツールのメーカー実績
今までどんな事業を展開してきたのか、評判や評価はどうか、といった情報は見ておいて損はありません。
2.失敗を回避!BIツールを選ぶときに忘れてはいけないこと
BIツールは、上述のようにそれぞれ特徴が大きく異なります。
コストをかけた分以上の効果を得るために、選び方と一緒に次のことも留意するようにしてください。
①BIツールを活用できる体制を整える
BIツールを使える人材がいるかどうかや、導入することでどのようなメリットがあるのか、事前に十分検討しておくことが大切です。
無料版から試してみる
取り扱うデータ量が少ない、カスタマイズに多少の制限があっても不自由しないなどの場合は、無料のBIツールも検討してみてください。
以下のBIツールは、期限なしで使える無料版も頒布されています。
メリットやデメリットについては下記記事もご参考ください。
無料のBIツールを使おう!おすすめ8選と導入で失敗しない秘訣
②自社データと連携できるか確認する
検討しているBIツールが社内のデータと連携できるか、連携の手順は簡単かといったこともポイントとなります。不明な場合は、事前に問い合わせるようにしましょう。
3.まとめ
- BIツールの選び方は目的・機能・コスト・使いやすさの4つ。
- 使わない機能が多いBIツールは避けよう。
- 無料期間などを利用して試してみるのがおすすめ
おわりに
今回ご紹介したBIツールの一部は、別の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ一緒にチェックをしていただき、自社にマッチするBIツールを選ぶ手立てとしてください。