無料のBIツールを使おう!おすすめ8選と導入で失敗しない秘訣

この記事を書いた人
北爪 聖也

株式会社pipon代表取締役。 キャリアはADK(広告代理店)でテレビ広告運用をして残業120時間するが、ネット広告では自分の業務がAIで自動化されていることに驚愕する。そこで、機械学習受託会社に転職し、技術力を身につけた後、piponを創業。現在、製薬業界、大手監査法人、EC業界、様々な業界でAI受託開発事業を運営。

公開日:2019/9/13
更新日:2019/9/13
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文字数:5400(読み終わるまでおよそ9分)

この記事でわかること

  • ゼロ円で導入できるおすすめの無料BIツール8選
  • 無料BIツールでも安易に選ぶとかえってコストがかかる理由
  • 無料BIツールの導入で失敗しない3つの秘訣

はじめに

BIツールは、企業の膨大なデータを整理して分析を行い、問題解決に向けてアクションがスムーズに起こせるようサポートしてくれるツールです。

ユーザーに特別なスキルがなくとも扱うことができ、現場自らの改善を促すことも期待できます。

この記事では、そんなBIツールの中でも無料で導入できるタイプをいくつかピックアップしました。合わせて取り入れる際の注意点を記載したので、取り入れる前に確認してください。

なお、有料版のおすすめBIツールは別の記事でご紹介しています。場合によっては、結果的に有料版のほうがコストを抑えられることもあるので、一緒にチェックするのがおすすめです。

1.おすすめの無料BIツールは?メリット&デメリットも紹介

紺色らいおんさんによる写真ACからの写真 

早速、無料で提供されているBIツールの中から、おすすめをご紹介します。

①無料のBIツール4選

Google Data Portal

Googleが提供しているBIツールです。Google広告、Googleアナリティクス、Google Cloud SQL、Google スプレッドシート、You Tubeなどさまざまななデータコネクタが用意されていて、データを簡単にインポートできます。見やすいチャートやグラフの作成、図形や画像の配置などを、クリックやドラッグ&ドロップでスムーズにできるのも特徴です。

メリット見栄えのいいグラフィカルなレポートが作れる
データの配置場所を自由に変えられる
相手のレベルに合ったテキスト入力ができる
デメリット条件の細かい指定ができない
データソースの更新頻度が最短で15分おき
プリントアウトができない

Microsoft Power BI

Microsoftが開発したBIツールです。Excelに似た操作で素早くデータの収集や分析ができるなど、Officeソフトに使い慣れていれば、すぐに使いこなせます。Google AnalyticsやFacebookを始め、利用可能なデータベースも豊富です。

メリットウェブブラウザ、スマートフォンなどで閲覧ができる
視覚的にわかりやすいダッシュボードの作成が可能
レポーティング用のテンプレートが複数用意されている
デメリット別アカウントとの共有、共同編集ができない
利用できる容量が1GBまでと少ない

Pentaho

日立ヴァンタラ社が提供するBIツール。定期的な開発と再頒布を行うオープンソース形式のため、最新技術を常に導入できます。さまざまな形式でできるレポーティング機能、高速ROLAPエンジンのMondrianによるインタラクティブ分析機能など、基本モジュールが充実しているのが特徴です。

メリットベンダーの手厚いサポートが受けられる
ヒートマップやジオマッピングなどのライブラリが使える
デメリットサポートのコミュニティがすべて英語ドラッグ&ドロップによる操作ができない
ダッシュボードのカスタマイズに制限がある

Qlik Sense

アメリカのQlikが頒布しているBIツールです。テンプレート機能やデータ・マイニング機能のほか、別のBIツールでは有償のことが多い管理コンソール機能を搭載。マウスによる簡単操作でデータ分析が可能なだけでなく、データ圧縮技術で心地よいスピード感で操作できます。

メリットスマートフォンなどで閲覧可能ソフトウェア型・オンプレミス型を選べる容量が小さい
デメリット操作に若干の慣れが必要Windows32bit版に非対応

②OSS(オープンソースソフトウェア)のツール4選

BIツールは、上記のようなベンダーが開発したものを取り入れるのが一般的です。しかし、もうひとつの方法としてOSS(オープンソースソフトウェア)の導入があります。

OSSはウェブ上に無償で公開、頒布されているソフトウェアです。カスタマイズが自由にできるため、より細かく条件を指定したりグラフを配置することで、さらに詳細なデータ解析に繋げられるのがメリット。ただ開発者に責任が伴わないため、不具合が生じた場合こちらで修正する必要がある、セキュリティ対策が不可欠など、いくつか注意点があります。

以下に4つ紹介するので、合わせてチェックしてみましょう。

Metabase

Metabaseプロジェクトが開発したBIツールです。ある程度のデータ解析までならSQL知識でできる、クエリビルダー機能を持っています。MySQL、PostgreSQLなどのデータソースと連携できる、ユーザー認証システムを導入できるなど、一定以上の機能がきちんと揃っているのが特徴です。

メリットインストールが簡単で、すぐに使える
チャートの種類が充実ダッシュボードがカスタマイズしやすい
デメリットコード入力中にフリーズするなど、不具合が散見される

Kibana

Elasticsearchが提供するデータ視覚化用のプラグインで、同社が提供する検索エンジンのElasticsearchと組み合わせることで、強力なBIツールとなります。時系列グラフ、円グラフなどグラフ機能が豊富で、Elasticsearchに蓄積されたデータをわかりやすく視覚化してくれます。

メリットビジュアルに特化したダッシュボードが作れる
クエリ機能が柔軟必要な情報にすぐアクセスできる
デメリットユーザーごとに、使えるダッシュボード機能を決定できない
カスタマイズしやすい分、導入に少し手間がかかる

Grafana

Grafana Labsがオープンソースとして公開するツールです。ElasticsearchやGraphiteなど、多種類のデータベースにアクセスし、収集したデータの解析をすることができます。インストールやクエリの設定などがシンプルで、取り入れやすいのも特徴です。

メリットすぐに導入でき、学習コストがかからない
ダッシュボードやパネルを感覚的に作れる
ダッシュボードごとにアクセス制限ができる
デメリットグラフのパターンが少ない
カスタマイズの自由度が低い
一部日本語非対応

Graylog

Graylogプロジェクトが提供する、ログ管理用のツールです。Elasticsearchに対応し、高速検索や可視化で解析をサポートしてくれます。収集したデータの前処理やユーザ認証の詳細設定ができるなど、痒いところに手が届く機能が多く揃っています。

メリット膨大なログから正確な情報を迅速に引き出せる
ユーザー毎に扱えるログを制限・管理できる
デメリット日本語非対応(日本語マニュアルあり)

2.コストの浪費に要注意!無料版を使うときに失敗しない秘訣

もぐら綿棒さんによる写真ACからの写真

前章を見てきたように、BIツールの無料版は「共有ができない」「容量に制限がある」「セキュリティ対策が必要」など、費用がかからない分、いくつかの注意点が存在します。

これらは、現場によっては必ずしもデメリットになるものではありません。しかし、あまりにニーズにマッチせず、ユーザーから使いづらいと思われてしまえば、継続して利用してもらえない可能性が高くなります。結局、導入するための時間や使いこなすための勉強など、費用以外のコストがかかっただけ、という事態になりかねません。

この章ではそうした本末転倒を避けるために、無料のBIツールを導入するときに失敗しないポイントを3つご紹介します。ゼロ円だからと言って、安易に取り入れることのないようにしてください。

①使用者を事前調査をする

使う人数は何人か

BIツールの無料版は、ユーザー数を制限しているものがあります。今後すぐに利用者が増える可能性がないか、確認をしておきましょう。

使う人のレベルはどれくらいか

表示が英語のみ、操作にプログラミング言語が必要といったBIツールは、ユーザーによっては使いにくいもの。利用者がどの程度の知識を持っているのかヒアリングしてから、検討するのがベターです。

ただ必ずしもユーザーに合わせる必要はなく、学習コストやトレーニングコストを視野に入れるのもひとつでしょう。

②性能が環境にマッチしているか調べる

データの容量

無料版はデータの容量が少ないものがあります。将来的に増える可能性があるなら、余裕を持って選ばなければいけません。

データの種類

社内のデータソースと連携できるか、忘れずにチェックしてください。

またBIツールには、ウェブ上で操作するクラウド型と、サーバーやソフトウェアを自社の管理下に置くオンプレミス型があります。アクセス面を取るなら前者ですが、データソースの機密性が高い場合は後者にするほうが無難です。

③有料版も視野に入れながら探す

ユーザーや環境の状況によっては、有料版でないとニーズに対応できない結果となることもあるでしょう。

このとき、「それでもコストを抑えたいから」と言って無料版を導入するのは、結局有料版への変更がすぐに必要になるので当然NGです。BIツールの移行はそれほど簡単なものではないので、もし条件の合うものがなければ、最初から有料版を視野に入れて探すようにしてください。

以下に、いきなり有料版は……というときのために、期間限定で無料トライアル版を配布しているBIツールをご紹介します。

Tableau

アメリカのTableauが開発したBIツールです。ビジュアライズ性能に優れ、データを美しく見せるのに特化しています。高速処理機能を搭載し、それぞれのデータと素早く連携しながら、結果をリアルタイムでダッシュボードに表示してくれます。

無料期間…14日間
入手はこちらから

Oracle BI

国内外で使われているOracle Databaseの開発で有名な、OracleのBIツールです。シンプルな見た目に加え、マウス操作が可能、推奨グラフなどを教えてくれるガイド機能を搭載しているなど初心者に優しい設計。使いやすいのが魅力ながら、コンテンツが充実していて汎用性が高いのも特徴です。無料トライアル版はクラウドのみとなっています。

無料期間…30日間
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Yellowfin

オーストラリアのYellowfinが提供するBIツール。ロケーションインテリジェンス機能や採決機能など、他のBIツールでは見られない独自の分析機能で、ユーザーのインサイトを支援してくれます。

無料期間…30日間
入手はこちらから

Motion Board

東京のウイングアーク1stが提供するBIツールです。大量データの高速処理以外に、要望に合わせて必要なデータだけを取り込むことも可能。チャートが豊富、かつ60種類以上のテンプレートがあるため、分析結果を見やすく表示できます。

無料期間…1か月間
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MicroStrategy 10

アメリカのMicroStrategyが開発したBIツール。多様なデータ抽出、加工機能など基本的な機能が揃っており、各社にマッチングしたデータ解析が簡単にできるのが魅力です。AndoroidやiOSのネイティブアプリを使えば、モバイル端末からデータの操作が行えます。

無料期間…30日間
入手はこちらから

3.まとめ

  • 無料のBIツールには費用がかからないメリットがある分、注意点があり。
  • 失敗しないためにはユーザーや環境の事前調査が必須。
  • 条件に合う無料版がない場合は有料版も視野に入れよう。トライアルで試してみるのもおすすめ。

おわりに

無料のBIツールは、千差万別です。

しかし基本的な探し方は、有料のBIツールとそれほど変わりません。他の記事も参考にしながら、コストの浪費を防ぐようにしてください。