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運営者
今日の課題はですね、最新技術を使うより、問題設定が大事だという話です。
のがっち
それはブロックチェーンに対する意見ですか。
運営者
これはブロックチェーンにも言えますね。ついついエンジニアって新しい技術を使いたくなっちゃったり、その技術を使うことが目的になったりしがちなんですよね。
のがっち
なるほど。
運営者
なんですけど、もっとローテクの技術でそもそもの問題設定が解決できるであったり、そもそもこの課題に対して、この課題ってこうやって解くこと出来ないのっていう方法を見つけることが大事だという話ですね。
のがっち
結局、課題が解決できるなら手法は何でもいいと。
運営者
そうです。
のがっち
まあそうですね。
運営者
例えば、僕以前、ある会社さんのアルゴリズム開発に携わっていたんですけれども、ディープラーニングがものすごく流行っているので、ディープラーニング使いたい人がやっぱりいるんですよ。
のがっち
世の中にはいるでしょうね。
運営者
ランダムフォレストでずっとやってきたんだけど、じゃあディープラーニングをやろうかという話になって、ディープラーニングを試したと。そしたら実際、ディープラーニングの方がランダムフォレストよりも、例えば2%精度が良かったみたいな話があったとしますと。
のがっち
精度は高いんだ。
運営者
まあ、あれほど話題になっているアルゴリズムですから。この人工知能ブームの立役者のアルゴリズムですから。
のがっち
そもそもディープラーニングってなんですごいんでしたっけ?
運営者
そうです。元々画像解析というのがなかなか出来なかったところを、出来なくはないんだけれども、何て言うのかな、こっちが、人間がこれはこういう特徴だよっていうのを設定してあげながら、アルゴリズムに覚えさせなければいけなかったのを、ディープラーニングに生の情報をそのまま与えるだけで、高解析解析できるようになったというところが、すごいというふうになって、しかも精度が高いというのだから、すごい話題になったんです。
のがっち
ディープラーニングの説明ありがとうございます。
運営者
で、話を戻すと、実際これやってみたら、ディープラーニングやっぱり精度良いですと。じゃあ、実際に制度が良かったらディープラーニングを使うのかっていう話になると、実際じゃあ Web アプリケーション上に載せるって言うふうになると、ディープラーニングまわすのは GPU っていう、 CPU より重いマシーンなんですよね。で、AWSとか、クラウドサービスを使ってWebアプリケーションを作るということにおいても、通常だったらただの今まで使っていた AWS のインスタンスを使えばいいのに、ディープラーニングを使うがためにGPUインスタンスっていう新しいインスタンスを立てなければいけないですよね。
のがっち
そうですよね。
運営者
しかも処理が重いと。
のがっち
でしょうね。費用もかかると。
運営者
そう。費用もかかって処理も重い。じゃあ何かユーザーが値をインプットして、予測値を返すけど、返答が遅いWebアプリケーションになってしまうと。
のがっち
処理が重いからですね。
運営者
という風になると、じゃあその精度2%の改善ってどこまで価値があるのか。
のがっち
その代わり犠牲になるのは、その処理速度
運営者
あとは、AWSのGPUインスタンス代というコストも。
のがっち
はい。
運営者
で、その最新の技術を使いたいということで始めて、実際、効果も精度は2%高くなるという効果は得ても、それそもそもユーザーが求めているものなんですかと。処理速度を遅くして、お金をかけて、その2%の改善というのをユーザーは本当に求めているんですかと。
のがっち
そうですね。
運営者
実際そのWebアプリケーションではあまり求めてないことはないんですけど、もちろん精度は高ければ高いほうがいいんですけれども、そこのクオリティを若干落としても大丈夫なサービスだったんですよ。であれば、最新の技術を使いたいというのはあるんだけど…
のがっち
ランダムフォレストでよくね?みたいな。
運営者
そういう話になったりするわけですね。課題設定そもそも何なのかっていうことをちゃんと考えないと出来ないですねっていうお話でした。
のがっち
テレビの画質8Kって誰が求めているんですかとか。
運営者
まあまあ、そうですね。
のがっち
そういう最新技術であればあるほど、そうやってオーバースペックになるわけで、結局その費用とか負担は結局ユーザーに転嫁されますって感じか。
運営者
ブロックチェーンも、要はローテクの集まりじゃないですか。
のがっち
まあそうですね。個々の要素を、ですね。
運営者
公開鍵式暗号、ハッシュ関数。1970年代とか60年代とかから使われた技術を組み合わせて、全く新しいものを作ったわけじゃないですか。だから最新技術を追っていくっていうのも大事なんですけれども、課題は何か、それに対して最も簡単にやれる方法は何かって考えるのも、同様に大事だよねと。
のがっち
そうですね。そこは見失ってはいけないですね。
運営者
そうですね。やっぱり、ローテクを組み合わせて新しいものを発明すると、強いですよね。ローテクっていうのはずっと使われてきた技術なので、まあ安定していますと。公開鍵式暗号はずっと使われてきてますから、もう用法は完全に分かっていると。なので、安定した新しいものが作れるんですよね。
落合陽一さんとか、ローテクを組み合わせて新しいものを作るみたいなのがやっぱり上手いんですよね。
落合陽一さんとか、ローテクを組み合わせて新しいものを作るみたいなのがやっぱり上手いんですよね。
のがっち
そうなんですか。よく知らないですけど。
運営者
自動運転車椅子とかを研究で作ったりしているんですけれども、車椅子は有名メーカーの車椅子を作って、カメラは某有名カメラメーカーのカメラを作って、でそのデータをクラウドに飛ばして処理をして、自動で車椅子を運転するとか、既存のメーカーの各技術を融合させて、ちょっとだけ最新のを入れて新しいことをするっていうのがすごく上手い。
のがっち
そもそも自動運転車椅子にしても、自動運転車にしても、それはパーツを組み合わせなければ出来ないですから。で、それをクラウドで解析して、ちゃんと自動運転に相応しい動きにさせるわけですよね?
運営者
そうです。で、その組み合わせを考えて実際動くものを作るっていうのが、それをすごいレベルで出来るから、あれだけの人気と言うか、実績を出せてるわけですよね。それってなかなかできないですよね。。最新技術を使うよりも課題設定が大事です、というお話です。それを象徴するような記事があったので、それを紹介したいと思います。
のがっち
ほー。
運営者
GIGAZINEというメディアからご紹介する記事です。タイトルが「ブラジャー作りを始めたエンジニアが学んだ7つの事」というタイトルですね。元エンジニアのザングさんという方がですね、試着室でブラジャーを自分用に合わせて作るのが、物凄い時間かかるということで・・・女性の方が、自分に合ったブラジャーを作れるようにしたいということで、最新の技術を使ってそういうサービスが、自分に合ったブルブラジャーを作れるようにならないかということをやってみたと。
のがっち
ニーズはありそうですね。自分に合った、カスタマイズされたブラジャーが欲しいってありそうですものね。
運営者
元々エンジニアとして働いていてPythonをバリバリ書いていたと。で、その人に合った胸の形の3Dパターンを出すべく、Pythonベースのプログラムを書いたと。で、今までブラジャーメーカーだと、48回試着をしないと完璧なブラっていうのは作れないっていう風にされていたんですって。
それを、このPythonベースの3Dデザインで解析をして、胸の形を数値化することで、完璧なブラを一度で再現することができるんじゃないかと、いうふうにやったんですね。で、結果、これは無理だと。
それを、このPythonベースの3Dデザインで解析をして、胸の形を数値化することで、完璧なブラを一度で再現することができるんじゃないかと、いうふうにやったんですね。で、結果、これは無理だと。
のがっち
大失敗だったんですか。
運営者
これは全然できないと。ブラジャー作りで重要なのは、技術じゃなくて測定と試着のフィードバックを繰り返すこと。48回やってるから。既存の下着メーカーさんは。結局そこが大事だったんですよ。
のがっち
測定として、そのフィードバックをPythonでやろうとしたんじゃないですか。
運営者
いえ、Pythonでやろうとしたのは、胸の形を一回見て、で、その3 Dデータを起こして…
のがっち
あ、そういうことですか。
運営者
それで、完璧な形のブラを一回で作ろうと、いうことをしたかったんですね。
のがっち
胸の大きさの座標を採って…
運営者
そうです。
のがっち
座標作って、こういう形でブラ作ればいいんでしょみたいな。発想はシンプルですよね。
運営者
そうです。で、ディープラーニングの技術とかも使ったんでしょうね。3Dのデザインデータに対して。
のがっち
それはやっぱりあれじゃないですか。胸のとこだけじゃダメなんじゃないですか。
運営者
どういうことですか。
のがっち
他の、肩の幅とか、背中の肉の付き具合とか。
運営者
あのですね。のがっちそれすごい、その通りなんですよ。ザングさんもそこに気づいて、今までは胸の形で、一回で採ろうとしてたのを、もっと簡易な数式に変えようと。それこそ肩幅の広さとか、胸の厚みとか、肌の質とか、そういう要素に分解していって、それぞれの要素が、いわゆるその要素の偏回帰係数と言いますか、各要素につく変数はいくつかっていうのを求めて胸の形、ブラジャーの形を定義しようとしたんですね。
のがっち
なるほど。
運営者
だから、一度に3Dでデータを解析して、ポンと答えを出すのではなくて、もっと簡易な要素に分解していって、一個一個答えを求めていったと。
のがっち
なるほど。まあ分解は大事ですね。
運営者
はい。あと大事だと気付いたのは、結局、既存でブラジャー作ってる会社さんは、物凄い治験を持ってるって事なんですよね。
のがっち
そりゃそうですね。
運営者
そうなんですけど、やっぱり技術ベンチャーって、技術でも全く新しいことをしてる、あの古いやり方を、もう投資をしないぞとか。そっちに行きがちじゃないですか。
のがっち
相手のほうがどうせ古いことやってるみたいな。
運営者
みたいなね。そこまで言わないにしても、ザンギさんは。(笑)言わないにしても、新しいやり方をやるんだから、今のやり方を全部学ぶ必要はないでしょと思っていたんですけども、そうではなかった。コラボレーションが大事だったという。
のがっち
はい。
運営者
で、その数式を簡単に落としましたと。3Dデータを一発でやるんじゃなくて、胸の形とか、肩の幅の広さとか、肌の質とか、そういう要素に落としていって、より簡易な数式にしていきましたと。
でも、それをやってもまだベストフィットするブラジャーが作れなかったんですって。
なんでだろうなあってなって、既存の下着メーカーさんと話してコラボレーションした時に、そもそもブラジャーの布を縫っていますけども、その縫い目の測定をしていますかと。
でも、それをやってもまだベストフィットするブラジャーが作れなかったんですって。
なんでだろうなあってなって、既存の下着メーカーさんと話してコラボレーションした時に、そもそもブラジャーの布を縫っていますけども、その縫い目の測定をしていますかと。
のがっち
縫い目。
運営者
ミシンで縫うのか何なのかわかんないんですけども、その一個一個縫う、そこの幅とかを意識してますかと。
のがっち
なるほど。
運営者
その数ミリの変化で、実はものすごい…
のがっち
つけ心地が変わると。
運営者
つけ心地が変わってくるんですよっていう話を聞いて、ザングさんは衝撃を受けたと。
のがっち
そんなの、素人にしたらマジかよって感じじゃないですか。
運営者
そうです。だから初心者の発想も重要なんですけど、専門家の経験、これも大事なんです。
のがっち
はい。
運営者
ていうのが、このGIGAZINEの記事で紹介されていて、これまさに、最新の技術を使うよりも、課題設定が大事だという話の、まさに象徴になるような例だなと思いましたのでちょっとご紹介しました。
のがっち
この課題設定は何ですか。
運営者
元々は、一番大きな課題としては、48回試着をしなければ完璧なブラジャーを作れないところを、一回の試着で完璧なブラジャーを作りたいっていう課題だったと。
のがっち
それはが課題ではない。
運営者
課題っていうか、やりたいことだったと。で、それを行うために最新の技術を使おうとしたけどそれは無理で、もっと簡易な数式に落として行って、さらに専門家と話していって、すごいサービスを改善していったっていう…
のがっち
これ結果どうなんですか。
運営者
なんか原価がだいぶ安い、コストが安いオーダーメイドブラジャーを作れるようになったみたいですね。多くの場合は約4万円位のコストがかかるんですけども…
のがっち
え、オーダーメイドのブラジャーが4万?
運営者
高いですよね。4万円のコストがかかるところを、今ザングさんのそのサービスを使えば、約半額の2万円で作れるようにはなっているらしいですね。
のがっち
あーでも2万ですか。
運営者
で、もし作ったブラジャーがフィットしない場合は全額返金されるみたいなところまで作って…すごいですね。
のがっち
というのが2018年ですか。今どうなっているかっていうのは、ちょっとまだ調べてない感じではあるけども。
運営者
そうですね。だからその課題がある。それを一足飛びに解決しようとしても、やっぱりなかなか難しいと。そこはもっとローテクをちゃんと使うっていうことも大事だと…
のがっち
だから最近ローテクの縫い目だとか、ローテクならではの視点みたいなのがないと、結局それを技術に落とし込めないと。
運営者
そうです。
のがっち
だから、どうだ、この天才的なアルゴリズム、だけでは解決しないと。
運営者
そうです。世の中そんな単純な問題ではないんですよ。
のがっち
もっと広く見ろということですね。
運営者
そうですね。だから技術で突き抜けるっていうのは本当に分野も限られるし、相当な天才が相当な分野で、限られた分野でやることだと。我々凡人はですね…
のがっち
そんな突き抜けてないんだわ。
運営者
ちゃんと現実の問題を泥臭く、ザングさんのように一個一個要素に分解して、解決していくというのが正攻法だと思いますね。
のがっち
なるほど。現実的ですね、非常に。
運営者
非常に現実的で、すごい良い記事だと思ったので、ちょっと紹介したかったんです。
のがっち
なんかね、我々凡人からしたら、もう身にしみるようなことですね。
運営者
そうですね。大切だなと思いました。という感じで、今日はありがとうございました。
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