アクセス解析ツールの選び方2ステップ!おすすめ8個の特徴も紹介

この記事を書いた人
北爪 聖也

株式会社pipon代表取締役。 キャリアはADK(広告代理店)でテレビ広告運用をして残業120時間するが、ネット広告では自分の業務がAIで自動化されていることに驚愕する。そこで、機械学習受託会社に転職し、技術力を身につけた後、piponを創業。現在、製薬業界、大手監査法人、EC業界、様々な業界でAI受託開発事業を運営。

公開日:2019/9/24
更新日:2019/9/24
キーワード:アクセス解析 ツール
文字数:5500(読み終わるまでおよそ9分)

この記事でわかること

  • アクセス解析ツールを選ぶ前に身につけておきたい知識
  • アクセス解析ツールを比較検討するときに注目するポイント
  • 8個のアクセス解析ツールのメリット&デメリットや料金

はじめに

アクセス解析ツールは、ユーザーの訪問数や動向などを解析し、メディアのPV数増加やECサイトの売上向上が狙える便利なツールです。

ただ導入には資金や時間といったコストが、少なからずかかります。合っていないアクセス解析ツールを選んでしまった場合、それらが無駄になりかねません。

この記事では、アクセス解析ツールの選び方を解説した上で、おすすめのものをご紹介しています。他の記事も参考にしながら、自社に適したツールが選べる術を身につけてください。

1.何から始めればいい?アクセス解析ツールの選び方2ステップ

gontoraさんによる写真ACからの写真 

まずは、アクセス解析ツールの選び方の流れについて、下記2ステップから紹介します。

①選ぶ前の事前準備

いきなりツールを選ぶのではなく、まずは事前に方針を整理しましょう。

目的を把握する

まずは、アクセス解析によって何を知りたいのか、事前に整理をしておきましょう。

また、ツール導入以前にも、サイトのPVなど、一定の指標がすでに計測できている場合もあります。

「サイトに訪れるユーザーがどれくらい来ているか」
「ユーザーがどんなページを見ているか」

これだけでも必要な機能が大きく異なってくるため、把握しておくとよいでしょう。

3種類のタイプを知っておく

アクセス解析ツールの3タイプを把握し、自社の目的に沿ったものはどれか判断してください。以下、概要と特徴です。

Webビーコンタイプ
概要データ解析ツールの主流となっているタイプ。Webサイトの各ページにあらかじめ専用のソースコードを入れ込み、それぞれのアクセスログを元に解析する。
特徴ページの閲覧数やユーザーの属性、サイト内での動き方など、改善に必要な指標がリアルタイムで取得できるのが特徴。ただWebページが多いと、その分だけ入力する手間が増える。
サーバーログタイプ
概要Webサーバーが保存しているユーザーのアクセスログに、解析サーバーがアクセスして解析
特徴Webビーコンタイプと異なり、逐一タグを打ち込む必要がないのがメリット。ただし解析するログの容量が多いため更新頻度が遅め、詳細なユーザー判定には向いていないなどのデメリットがある。
パケットキャプチャタイプ
概要「ユーザーがページにアクセス」「Webサーバーがアクセスに応えてページを表示」といったやり取りの中で生じるトラフィック(送受信データ)から解析
特徴ページの閲覧数やユーザーの属性、サイト内での動き方など、改善に必要な指標がリアルタイムで取得できるのが特徴。ただWebページが多いと、その分だけ入力する手間が増える。

②複数のアクセス解析ツールを比較する

事前準備が終わったら、複数のアクセス解析ツールを比較検討します。機能の種類を見ながら、以下をチェックするのがポイントです。

使いやすさ

使用者が実際に使いこなせるか確認してください。

初めてアクセス解析を導入するような場合は、直感的な操作ができたり画面表示が見やすいものを選ぶのがおすすめです。

無料版と有料版の違い

選んだ解析ツールが、無料版なのか有料版なのか確認しましょう。それぞれ以下の注意点があります。


注意点
無料版・必要な機能や容量が足りず、導入後に移行を余儀なくされる可能性がある。
広告表示するものが多い。パソコンは問題なくともスマホだと見づらい場所に貼られる、一定期間ログインがないと表示されるなどのツールもある。
有料版・使いこなせない機能があると、その分のコストが無駄になる

2.おすすめのアクセス解析ツール8個!メリット&デメリットも徹底解説

yumeyumeさんによる写真ACからの写真 

この章では、以下のアクセス解析ツールをご紹介します。

Google Analytics
User Insight
Ptengine
アクセス解析研究所
FC2アクセス解析
忍者アクセス解析
Research Artisan Lite
RTmetrics

それぞれのメリットとデメリットも解説するので、比較するときの参考としてください。

Google Analytics

Googleが提供しているアクセス解析ツールです。無料版でも機能が充実していて、多くの企業に採用されています。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・サイト内行動
・利用されているブラウザやデバイス
・検索キーワード
・コンバージョン
・Google Analytics…無料(申し込みはこちらから)
・Google Analytics360…要問い合わせ
メリットデメリット
Google Search ConsoleGoogle Data Portalなどの各Googleツール、AIアナリストTableauなどのデータ解析ツールと連携できる。
・メジャーなツールのため、基本的な使い方やカスタマイズの情報が手に入りやすい
・使いこなすのに知識が必要な機能がある
・解析画面が見づらい
タイプサービス
Webビーコンスタートガイド公開

User Insight

株式会社ユーザーローカルのアクセス解析ツールです。パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどにも対応しています。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・離脱数
・直帰数
・ユーザー属性
・組織関連の分析
・広告
・コンバージョン
・検索キーワード
初期費用:50,000円~ 
利用料金:月額50,000円~
メリットデメリット
・10種類のヒートマップでページ内の閲覧状況を視覚化してくれる
・マウスリプレイ機能で、ユーザーのつまづきやすいポイントを解析可能
・アクセスのトレンドを把握できるダッシュボード機能を搭載
・ページ数やサイト規模に関係なく解析できる
・料金が割高
タイプサービス
Webビーコン導入事例公開
説明資料配布

Ptengine

株式会社Ptmindが開発したアクセス解析ツールです。こちらもパソコンやスマホ、タブレットなど異なる端末からのアクセスを一括で管理できます。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・キャンペーン計測
・コンバージョン
・ファネル
・Free…無料(申し込みはこちらから)
・Economy…月額14,800円~
・Business…月額29,800円~
・First…月額49,800円~
・Enterprise…要問い合わせ
メリットデメリット
・ヒートマップ機能で、どんなユーザーがどんなことに興味関心を持っているのか一目でわかる
・ビジュアル重視のデザインで、初心者でもすぐに使いこなせる
・リアルタイムで解析可能
・無料プランの利用範囲が狭い
タイプサービス
Webビーコンコミュニティ設置
ブログ設置

アクセス解析研究所

アクセス解析研究所のアクセス解析ツールです。GPS座標による居場所解析、訪問者のクリック状況解析など、個々のユーザーを詳細に調べることができます。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・リンク元
・アクセス先
・滞在時間
・GPS座標
・無料版…申し込みはこちらから。
・有料版…要問い合わせ
メリットデメリット
・広告表示なし(無料版の場合は、31日間連続で利用がない場合を除く)
・訪問者に名前を付けて動向を管理できる
・スマホから解析結果が確認可能
・アクセス数に制限あり(10,000セッションまで)
タイプサービス
Webビーコン動作デモ公開

FC2アクセス解析

FC2のアクセス解析ツールは、視認しやすいデザインが魅力。自動で人気検索キーワードの解析結果がランキング形式で表示される、ソーシャル解析機能が搭載されています。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・リンク元
・クリック先
・リアルタイム
・検索キーワード
・リアルタイム分析
無料(申し込みはこちらから)
メリットデメリット
・解析対象から自分のIPアドレスを除外できる
・スマホからアクセス数が確認可能
・解析用タグが複数ページに対応しているため設置が簡単
・バナーが表示される(8秒間のみ)
・ログの保存期間が4ヶ月
タイプサービス
Webビーコンアクセス解析サンプル画面公開

忍者アクセス解析

忍者ツールズ株式会社のアクセス解析ツールです。丁寧なマニュアルの公開やFAQの設置など、初心者に優しいサービスが充実しています。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・リンク元
・クリック先
・検索キーワード
・リアルタイム分析
・無料版…申し込みはこちらから。
・有料版…初期費用:1,260円 利用料金:月額310円
メリットデメリット
・操作画面に余計な装飾がなく見やすい
・低コストで導入できる
・スマートフォンの解析に対応
・広告表示(無料版のみ)
・アクセス数上限が1ヶ月30万件まで(有料版のみ)
・ログの保存期間が4ヶ月
タイプサービス
Webビーコンマニュアル公開
質問掲示板設置

Research Artisan Lite

オープンソースのアクセス解析ツールです。サイトに指定のPHPコードを埋め込むことで、簡単に全アクセスログを回収できます。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・リンク元
・クリック先
・検索キーワード
無料(ダウンロードはこちらから)
メリットデメリット
・広告表示なし
・訪問者を追跡しやすくする訪問者名
・ドメイン名設定搭載
・アクセスログを長く保存できる
・Apache・PHP・MySQLなどが動作するレンタルサーバーが必要
・オープンソースのため、トラブルが発生しても自力で解決しなければいけない
タイプサービス
サーバーログ特になし

RTmetrics

あらゆるデバイスや複数サーバーに対応できる、オールマイティなアクセス解析ツールです。パケットキャプチャタイプですが、タグによる解析やサーバーログを解析することもできます。

解析できること料金
・訪問者数
・PV数
・ユーザー属性
・ブラウザ
・OS
・携帯端末
・経路
・離脱率
・複数サイト間の行動
・POSTデータ
・コンテンツ
・広告
要問い合わせ
メリットデメリット
・Webサーバーへの負担が少ない
・リアルタイムレポート
・ユーザーと訪問者を識別して解析できる
・サーバーの購入など初期費用が多くかかる
タイプサービス
パケットキャプチャ(ログやタグにも対応)導入事例公開
トレーニング実施
・サポートサービス(プロフェッショナルサービス
プレミアムサポートサービス)実施

3.まとめ

アクセス解析ツールメリットデメリット
Google AnalyticsGoogle Search ConsoleGoogle Data Portalなどの各Googleツール、AIアナリストTableauなどのデータ解析ツールと連携できる。
・メジャーなツールのため、基本的な使い方やカスタマイズの情報が手に入りやすい
・使いこなすのに知識が必要な機能がある
・解析画面が見づらい
User Insight・10種類のヒートマップでページ内の閲覧状況を視覚化してくれる
・マウスリプレイ機能で、ユーザーのつまづきやすいポイントを解析可能
・アクセスのトレンドを把握できるダッシュボード機能を搭載
・ページ数やサイト規模に関係なく解析できる
・料金が割高
Ptengine・ヒートマップ機能で、どんなユーザーがどんなことに興味関心を持っているのか一目でわかる
・ビジュアル重視のデザインで、初心者でもすぐに使いこなせる
・リアルタイムで解析可能
・無料プランの利用範囲が狭い
アクセス解析研究所・広告表示なし(無料版の場合は、31日間連続で利用がない場合を除く)
・訪問者に名前を付けて動向を管理できる
・スマホから解析結果が確認可能
・アクセス数に制限あり(10,000セッションまで)
FC2アクセス解析・解析対象から自分のIPアドレスを除外できる
・スマホからアクセス数が確認可能
・解析用タグが複数ページに対応しているため設置が簡単
・バナーが表示される(8秒間のみ)
・ログの保存期間が4ヶ月
忍者アクセス解析・操作画面に余計な装飾がなく見やすい
・低コストで導入できる
・スマートフォンの解析に対応
・広告表示(無料版のみ)
・アクセス数上限が1ヶ月30万件まで(有料版のみ)
・ログの保存期間が4ヶ月
Research Artisan Lite・広告表示なし
・訪問者を追跡しやすくする訪問者名
・ドメイン名設定搭載
・アクセスログを長く保存できる
・Apache・PHP・MySQLなどが動作するレンタルサーバーが必要
・オープンソースのため、トラブルが発生しても自力で解決しなければいけない
RTmetrics・Webサーバーへの負担が少ない
・リアルタイムレポート
・ユーザーと訪問者を識別して解析できる
・サーバーの購入など初期費用が多くかかる

おわりに

アクセス解析ツールは、目的に合ったものを選ぶのが不可欠です。

公式サイトの内容だけにとらわれず、特徴や欠点を掴んでから導入するようにしましょう。

もし別の解析ツールを検討している場合は、他の記事も参考にしてみてください。