公開日:2019/9/18
更新日: 2019/9/18
キーワード:BIツール 比較
文字数:7500(読み終わるまでおよそ10分)
この記事でわかること
- データ統合やECサイトに活用できるBIツール
- BIツール9つの各機能、特徴、相性の良い企業
- 自社のニーズを満たせるBIツールの探し方3つ
はじめに
BIツールは、各ベンダーからさまざまなものが販売されています。
いずれも多様な機能を搭載していて、どれがいいか悩んでしまうもの。しかし、単に他社に人気という理由で選んではいけません。いざ導入したら使いづらかった、というケースは少なくないからです。
この記事では、おすすめのBIツールを目的別にご紹介しています。比較するときのポイントも解説しているので、迅速に使いやすいBIツールを導入するときに参考としてください。
なお、BIツールに関しては別の記事でも解説しているので、一緒に読んで知識を深めていただければと思います。
1.目的別!BIツール徹底比較
早速、ここでは下記の目的別に、BIツールを比較していきましょう。
①基幹データの統合を行いたい
②ECやアプリ等、オンラインデータの分析をしたい
③分析をわかりやすく整理して施策に活かしたい
①基幹データの統合を行いたい
基幹データを行いたい場合、データをスムーズに集計できるBIツールを使うといいでしょう。
以下、おすすめの3種類です。
ツール名 | 特徴 |
Dr.Sum | 利用者の要望に合わせて自由にデータ集計ができる |
Data Knowledge | データの集計や抽出が簡単操作で可能 |
b→dash | データの取得や統合をオールインワンで実行できる |
Dr.Sum
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・OLAP分析 ・レポーティング | ・膨大なデータを迅速に集計 ・専門知識不要 ・利用者増加による追加コスト発生なし |
対応データ | 各種サポート |
・ODBCのデータベース ・JDBCのデータベース ・Oracle Database ・Excel ・CSV | ・BIシステムサービス ・製品導入支援サービス ・セミナー ・サポートサイト |
インストール | モバイル閲覧 |
要(一部) | 不可(使用バージョンにより可) |
利用料 | 無料期間 |
・Dr.Sum Ver.5.1:345万円~/1サーバー | 要問い合わせ |
ウイングアーク1st株式会社が提供するBIツールです。各条件に応じて素早くデータを収集、統合ができ、ユーザー自らが的確な状況把握を行えます。
こんな企業におすすめ
・経営層、管理職層、業務担当者それぞれでデータを利用したい
・100億件を超えるデータを扱いたい
・IT部門の負担を減らしたい
Data Knowledge
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・レポーティング ・データアクセス権限 ・外部アプリとの連携 | ・統合したことがあるデータを自動で結合 ・データを社内で共有・評価ができる ・レポートの出力数が豊富 |
対応データ | 各種サポート |
・CSV ・SQLServer ・Oracle Database ・ODBC接続のデータベース | ・問い合わせ窓口 (平日9:00~18:00) ・サポート資料 |
インストール | モバイル閲覧 |
要 | 不可 |
利用料 | 無料期間 |
50万円~/1サーバー | 30日間 |
株式会社クロスユーアイエスが開発しているBIツールです。
異なるデータベースから特定の条件でデータを抽出できるだけでなく、解析のノウハウなどを社内で公開・共有できる機能を搭載。継続して使うことで、より迅速に課題の解決策を見つけられるようになります。
こんな企業におすすめ
・専門知識のない担当者にデータの検索や加工をさせたい
・コストを抑えたい
・社内全体の分析力を上げたい
b→dash
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・ダッシュボード ・レポーティング ・データマーケティング用アプリ | ・直感的なUI ・手厚いサポート ・多角的な分析 |
対応データ | 各種サポート |
・Salesforce ・Youtube ・Googleスプレッドシート ・Public DMP | ・説明会開催 ・データマーケティングブックの配布 |
インストール | モバイル閲覧 |
不要 | 不可 |
利用料 | 無料期間 |
要問い合わせ | 要問い合わせ |
株式会社フロムスクラッチのBIツールです。複数の解析方法で、データをさまざまな角度で見れるのがポイント。マーケティングに必要な機能がひと通り揃っており、顧客への適切なアプローチを自動化できます。
こんな企業におすすめ
・担当者の勉強コストを最小限に抑えたい
・データ統合から施策の実行までをワンストップで行いたい
②ECやアプリ等、オンラインデータの分析をしたい
次にご紹介するのは、ECサイトやアプリなどのデータ分析に優れたBIツールです。
ツール名 | 特徴 |
Qlik Sense | 独自システムによる高度な解析 |
MOTION BOARD | 高速処理によるリアルタイム分析 |
Yellowfin | AIによる自動分析で的確にアクションを起こせる |
Qlik Sense
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・AIレポーティング ・データマイニング ・OLAP分析 ・ダッシュボード ・アクセス制限 | ・独自システムによるデータの自動統合 ・動作が早い ・操作が簡単・拡張機能が豊富 |
対応データ | 各種サポート |
・ODBCのデータベース ・OLEのデータベース ・REST準拠のデータソース ・Essbase ・Salesforce ・SAP NetWeaver ・Webサイト ・ローカルファイル ・ネットワークファイル | ・トレーニング ・コミュニティ |
インストール | モバイル閲覧 |
要(一部) | 可 |
利用料 | 無料期間 |
・Qlik Sense Business 要問い合わせ ・Qlik Sense Enterprise 要問い合わせ | ・Qlik Sense Business:30日間 ・Qlik Sense Desktop:制限なし |
アメリカのQlikが開発したBIツールです。独自システムで異なるデータソースを統合し、解析結果を迅速にビジュアライズできます。
こんな企業におすすめ
・数種類のデータソースを統合したい
・特定のデータ解析を定期的に行いたい
・見栄えのいいダッシュボードを専門知識なしで作りたい
MOTION BOARD
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・地図機能 ・OLAP分析 ・ダッシュボード ・R言語対応 | ・リアルタイムでデータ監視できる ・マウス操作でOK ・チャートが豊富 |
対応データ | 各種サポート |
・MySQL ・Oracle Database ・Enterprise Database ・Greenplum ・Dr.Sum ・Google Analytics ・Google Drive for Work ・Excel ・CSV | ・問い合わせ窓口(平日9:00~17:30) ・掲示板 ・活用定着化支援サービス |
インストール | モバイル閲覧 |
要(一部) | 可 |
利用料 | 無料期間 |
・MotionBoard Cloud Standard Edition 3万円~/10ユーザー ・MotionBoard Cloud Professional Edition 6万円~/10ユーザー ・MotionBoard Cloud IoT Edition 9万円~/10ユーザー ・MotionBoard パッケージ版 要問い合わせ ・MotionBoard for Dr.Sum パッケージ版:要問い合わせ | 1か月間 |
ウイングアーク1st株式会社のBIツールです。データと地図情報を連携させながら解析できる、独自のリアルタイムGEOコーディングエンジンを搭載しています。
こんな企業におすすめ
・テンプレートを使って情報を見やすくまとめたい
・業績を社内で共有して現場を活性化させたい
・稼働状況をリアルタイムに把握したい
Yellowfin
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・OLAP分析 ・レポーティング ・ダッシュボード ・アクセス権限 | ・AIによる最適結果の導出 ・情報共有に便利なストーリー機能搭載 ・独自のシグナル機能で重要な情報だけをアラート ・強固なセキュリティ |
対応データ | 各種サポート |
・JDBCのデータベース ・クラウドDWH ・XMLAデータソース ・CSV ・Webアプリ | ・マニュアル ・コミュニティ |
インストール | モバイル閲覧 |
要(一部) | 可 |
利用料 | 無料期間 |
・ユーザーライセンス 5ユーザー/ 年額41万2500円 25ユーザー/ 年額137万5000円 ・スターターパック (5ユーザー+3日間の集合研修) 37万8000円 ※次年度以降41万2500円 ・サーバーライセンス 年額800万円 | 30日間 |
Yellowfinが開発したBIツールです。AIを搭載したダッシュボードで、質問をすれば自動的に適切な解析結果を出してくれます。コメントやフィードバック機能があり、次のアクションに繋げやすいのも特徴です。
こんな企業におすすめ
・機密情報を扱いたい
・導入コストをできる限り抑えたい
・クラウドサービスと連携させたい
③分析をわかりやすく整理して施策に活かしたい
最後に分析結果を施策に活かせるBIツールをご紹介します。
以下は、ダッシュボードのビジュアル性能が高い3つです。
ツール名 | 特徴 |
Tableau | メッセージ性のあるダッシュボードが作成可能 |
Actionista! | 国産ならではのサポートで使いやすい |
LaKeel BI | オールインワンパッケージでスムーズにアクション実行 |
Tableau
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・OLAP機能 ・レポーティング ・ダッシュボード ・アクセス権限 | ・豊富なデータ表現力 ・導入から使い始めまでの手間がない ・ドラッグ&ドロップで操作可能 |
対応データ | 各種サポート |
・Google 広告 ・Google アナリティクス ・Google スプレッドシート ・Excel ・csv ・OneDrive ・MySQL ・Oracle Database ・Webデータ | ・無料トレーニングビデオ ・コンサルティングサービス ・製品別サポート |
インストール | モバイル閲覧 |
要(一部) | 可 |
利用料 | 無料期間 |
・Tableau Creator 年額10万2000円/1ユーザー ・Tableau Explorer 年額1万1000円/1ユーザー Tableau Viewer 年額1万8000円/1ユーザー | 14日間 |
国内外で幅広く使われているBIツールです。ダッシュボードの細かな色使いやグラフの配置などを、マウス操作で簡単に変更できます。
こんな企業におすすめ
・視認性に優れたダッシュボードを作りたい
・各現場にデータの重要性を理解してもらいたい
・学習コストをかける余裕がない
Actionista!
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・OLAP分析 ・レポーティング ・ダッシュボード ・アクセス権限 | ・ノンプログラミングで使える ・操作しやすいコンパクト画面 ・テンプレートあり ・ライセンスひとつで社内全員が共有可能 |
対応データ | 各種サポート |
要問い合わせ | ・無料セミナー ・マンガ解説 ・問い合わせ窓口(平日9:30~18:00) |
インストール | モバイル閲覧 |
要 | 可 |
利用料 | 無料期間 |
・Basic Edition 820万円~ ・Workgroup Edition 要問い合わせ ・Enterprise Edition 要問い合わせ | なし |
株式会社ジャストシステムのBIツールです。プログラミング知識がなくてもABC分析やZチャートなど、高度な分析ができます。テンプレートやガイド機能、サポートも充実していて、初心者でもすぐに使いこなせるのが特徴です。
こんな企業におすすめ
・BIツールを初めて導入する
・料金を安く済ませたい
・社内の各人間がデータ分析できるようになってもらいたい
LaKeel BI
機能 | 特徴 |
・データ統合 ・データ分析 ・レポーティング ・ダッシュボード | ・オールインワンですぐに利用できる ・テンプレート充実 ・セミナーやサポート資料が多数 |
対応データ | 各種サポート |
・Excel ・各種DWH | ・FAQ ・セミナー ・入門講座 ・導入事例集 ・BI導入チェックシート |
インストール | モバイル閲覧 |
要 | 可 |
利用料 | 無料期間 |
要問い合わせ | 要問い合わせ |
株式会社レジェンド・アプリケーションズのBIツール。Excelに近い操作感で扱えるのが特徴です。数十種類のテンプレートが用意されていて、データを取り込めば即座に高度な分析ができます。一般ユーザーから専門知識を持つユーザーまで使いやすいのが魅力です。
こんな企業におすすめ
・社内の人間の知識レベルがバラバラ
・とにかく簡単・手軽に導入したい
・各部署の勤務状況を共有して業務の効率化を図りたい
2.BIツール選びで意識したいポイント
BIツールは、目的別で探すのが有効です。
しかしBIツールに何を求めているかは、現場の数だけ違うもの。
そのため選ぶ際には
①使用者の意見に耳を傾ける
②使用者の知識・経験を把握する
③ニーズに合ったBIツールを選ぶ
ことがポイントです。以下に詳しく説明します。
①使用者の意見に耳を傾ける
まずは、実際にBIツールを使う利用者に耳を傾けましょう。社内全体で活用するなら、経営層から各部署の担当者までヒアリングしてください。
BIツールは導入目的が曖昧だと、ユーザーに「これを使って意味あるのかな……」と思われやすく、すぐに使われなくなる危険性があるためです。
②使用者の知識・経験を把握する
ヒアリングと一緒に、データ分析に慣れているのか、プログラミング言語の知識はあるのかなども確認してください。知識を共有し、使用者が限定されないようにすることも重要です。
③ニーズに合ったBIツールを選ぶ
目的、ニーズに合ったツール選びが大切です。
下記にツール選びのポイントとなる項目をまとめましたので、検討時に役立ててみてください。
チェック項目 | 概要 |
データソースの種類 | 現場のニーズを満たすための自社データが、BIツールと連携できるかチェック。 差し替えや、連携の手順が簡単かどうかもポイント。 |
利用タイプ | クラウド型は安価で導入でき、インターネットさえあればアクセスできる点が魅力。 自社内にシステムを設置するオンプレミス型は、カスタマイズ性や安全性の高さがメリット。 |
コスト | 業務で使用する人の人数と価格が見合っているか確認する。 ユーザーが大幅に増える予定があるなら、サーバーライセンスタイプの方がコストを抑えられることも。 |
操作性 | BIツールの利用経験が少ない場合は、下記をチェック。 ・マウス操作ができるか ・日本語に対応しているか ・モバイルでの閲覧は可能か ・色の変更やグラフの配置は自由にできるか ・チャートやテンプレートの種類は豊富か |
3.まとめ
- 本記事で紹介したBIツールまとめ
ツール名 | 特徴 | こんな時におすすめ |
Dr.Sum | ・膨大なデータを迅速に集計 ・専門知識不要 ・ユーザー増加による追加コスト発生なし | ・経営層、管理職層、業務担当者それぞれでデータを利用したい ・100億件を超えるデータを扱いたい ・IT部門の負担を減らしたい |
Data Knowledge | ・統合したことがあるデータを自動で結合 ・データを社内で共有・評価ができる ・レポートの出力数が豊富 | ・専門知識のない担当者にデータの検索や加工をさせたい ・コストを抑えたい ・社内全体の分析力を上げたい |
b→dash | ・直感的なUI ・手厚いサポート ・多角的な分析 | ・担当者の勉強コストを最小限に抑えたい ・データ統合から施策の実行までをワンストップで行いたい |
Qlik Sense | ・独自システムによるデータの自動統合 ・動作が早い ・操作が簡単 ・拡張機能が豊富 | ・数種類のデータソースを統合したい ・特定のデータ解析を定期的に行いたい ・見栄えのいいダッシュボードを専門知識なしで作りたい |
MOTION BOARD | ・リアルタイムでデータ監視できる ・マウス操作でOK ・チャートが豊富 | ・テンプレートを使って情報を見やすくまとめたい ・業績を社内で共有して現場を活性化させたい ・稼働状況をリアルタイムに把握したい |
Yellowfin | ・AIによる最適結果の導出 ・情報共有に便利なストーリー機能搭載 ・独自のシグナル機能で重要な情報だけをアラート ・強固なセキュリティ | ・機密情報を扱いたい ・導入コストをできる限り抑えたい ・クラウドサービスと連携させたい |
Tableau | ・豊富なデータ表現力 ・導入から使い始めまでの手間がない ・ドラッグ&ドロップで操作可能 | ・視認性に優れたダッシュボードを作りたい ・各現場にデータの重要性を理解してもらいたい ・学習コストをかける余裕がない |
Actionista! | ・ノンプログラミングで使える ・操作しやすいコンパクト画面 ・テンプレートあり ・ライセンスひとつで社内全員が共有可能 | ・BIツールを初めて導入する ・料金を安く済ませたい ・社内の各人間がデータ分析できるようになってもらいたい |
LaKeel BI | ・オールインワンですぐに利用できる ・テンプレート充実 ・セミナーやサポート資料が多数 | ・社内の人間の知識レベルがバラバラ ・とにかく簡単・手軽に導入したい ・各部署の勤務状況を共有して業務の効率化を図りたい |
おわりに
今回ピックアップしたBIツールの情報は、場合によって変わる可能性があります。あくまで参考に留め、気になるものは直接問い合わせてみましょう。
また、他の記事でも、おすすめのBIツールや選び方を紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。