ダッシュボードとは?特徴や作成時におすすめなBIツール8選

この記事を書いた人
北爪 聖也

株式会社pipon代表取締役。 キャリアはADK(広告代理店)でテレビ広告運用をして残業120時間するが、ネット広告では自分の業務がAIで自動化されていることに驚愕する。そこで、機械学習受託会社に転職し、技術力を身につけた後、piponを創業。現在、製薬業界、大手監査法人、EC業界、様々な業界でAI受託開発事業を運営。

公開日:2019/9/11
更新日:2019/9/11
キーワード:ダッシュボード とは
文字数:5400(読み終わるまでおよそ9分)

この記事でわかること

  • ダッシュボードの特徴や導入するメリット、利用形態や目的別の種類
  • ダッシュボードを作成するときにおすすめなBIツール8種類
  • ダッシュボードの作成時に気をつけたいポイント

はじめに

複数の情報を一画面に集約し、わかりやすく表示するダッシュボード。煩雑なデータ群を迅速に分析でき、課題解決に必要な適切なアクションが取れるようになるツールです。

この記事では、ダッシュボードとは何かを詳述した上で、導入するときにおすすめなBIツールや作成時に気をつけたいポイントを説明しています。

別の記事でもデータ解析に必要なスキルや資格をご紹介しているので、合わせてチェックをし、ビジネスに貢献できるスキルを身につけましょう。

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1.ダッシュボードとは?特徴や利点、種類を徹底解説

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まずは、ダッシュボードの特徴やメリット、種類です。

①ダッシュボードの特徴

ダッシュボードの最大の特徴は、数多くのデータをひと目でわかるように画面表示し、ビジネスの状況や課題点を見つけられることです。名前の由来も、それが自動車の状態がすぐにわかる計器盤に似ていることから来ています。

1970年代の意思決定支援システムの研究が発端とされ、インターネットの発展とともに広まり、現在多くの企業に導入されています。

②ダッシュボードのメリット

適切なグラフ形式でデータを見れる

ダッシュボードは折れ線グラフや棒グラフ、マップ、散布図など、各データに適したグラフが使えるので、数字や文字の羅列では見えづらかった部分を浮き彫りにしてくれます。

最新データを分析できる

常に新しいデータと連動しながら分析できるのも、ダッシュボードのメリットです。経営の状態がリアルタイムでわかるだけでなく、信頼性のある分析結果を得ることができ、次のアクションがしやすくなります。

特別なスキルがなくても使える

ダッシュボードには、対象となるビジネスに関わる人なら誰でも操作できるメリットがあります。ただ統計学や機械学習、プログラミング言語に熟知しているデータサイエンティストのほうが、より適切な解決方法を提案できることは間違いありません。

③ダッシュボードの種類

ダッシュボードの種類は多岐にわたります。ここでは、利用形態・目的別に分け、それぞれの代表的なものをご紹介します。

利用形態

ダッシュボードにはクラウドタイプオンプレミスタイプの2種類があります。
それぞれの特徴を下記にまとめました。

クラウドタイプ民間企業が用意している仮想サーバーにデータを保存し、解析を行うタイプです。インターネットに接続できれば容易にアクセスできる、コストが抑えられるなどのメリットがあります。ただ、あらかじめ用意されたオプションの範囲内でしかカスタマイズできないことが多く、導入する際は自社のニーズに合っているか慎重に検討しなければいけません。
オンプレミスタイプサーバーを使用者の設備内に構築し、管理するタイプです。カスタマイズがしやすい、自社で運用している別のシステムと連携できるといったメリットがある反面、ソフトウェアの購入など初期コストがかかるデメリットがあります。

目的別

利用目的によっても、ダッシュボードはいくつかのタイプに分類されます。

KPI(重要業績評価指標)タイプ企業が掲げる目標の達成度を示す評価指数、KPIを可視化したダッシュボードです。
エグゼクティブタイプ経営の根幹を担う立場の人向けにカスタマイズされたダッシュボードです。データの集計レベルを1つずつ下げ、より詳細な集計操作を行うドリルダウン機能を使いながら解析します。
トップダウンタイプKPIを含む詳細なデータを、あるひとつのテーマに沿ってまとめたダッシュボードです。エグゼクティブと同様に管理職向けですが、動向の把握や予測に必要な概要的なデータが主に扱われ、ドリルダウン機能はあまり使われません。
ボトムアップタイプビジネス全体と各組織の状況が確認できる横断的なダッシュボードです。組織間の比較を可視化することでモチベーションを促し、生産性の向上が期待できます。

2.ダッシュボードを作ろう!おすすめのBIツール6選とExcelでの作成方法

ガイムさんによる写真ACからの写真

データを可視化するダッシュボードを早急にビジネスに取り入れれば、その分だけ課題発見や解決が早く期待できます。

導入方法はさまざまですが、簡単なのは、データの収集や分析をするBIツールで作成することです。この章でおすすめのBIツールを6種類ご紹介しますので、自社に適したものを見つけてみてください。

また合わせて、Excelで自作する方法も解説します。

①ダッシュボード作成におすすめなBIツール6選

Tableau

膨大なデータを活用できるソフトウェアを専門に作るアメリカの企業、Tableauが制作したBIツールです。データ活用ツールの制作に特化しているだけあって操作性に優れ、ダッシュボードをドラッグ&ドロップで作成できます。グラフィック機能の汎用性も高く、さまざまな種類のデータを見やすくできるのも特徴です。

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Tableau Creator102,000円/年
Tableau Explorer51,000円/年
Tableau Viewer18,000円/年

※導入するためには、Tableau Creatorのライセンスが1つ以上必要です。

FineReport

中国のBI業界でシェアNo.1を誇る企業、帆軟(ファンラン)がリリースしたBIツールです。Excelのテーブルスタイルに似た画面で、シンプルなドラッグ操作でダッシュボードを作成できるのが特徴。個性的なビジュアルにカスタマイズすることもできます。

バージョン
無料体験版 ※有料版との機能上の違いはありません。ダウンロードはこちら
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DOMO

アメリカの企業DOMOのダッシュボードは、シンプルなスタイルで視認しやすいのが魅力。Google AnalyticsやFacebookといったマーケティングツールと常時連携し、ひとつにまとめてくれます。スマホアプリを通して閲覧ができ、定期的にチェックすることも可能です。

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Yellowfin

世界的に高い評価を受けているオーストラリアの企業、YellowfinのBIツールです。ドラッグ&ドロップでダッシュボードを簡単に構築することが可能。デザインの柔軟性に優れ、各ユーザーに適したレイアウトで作れます。さまざまなデータと連携できたり、AIが自動でデータ分析を行ってくれるのも見逃せない点です。

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Yellowfinユーザーライセンス・5ユーザー分412,500円/年
Yellowfinユーザーライセンス・25ユーザー分1,375,000円/年
スターターパック378,000円 ※次年度以降は412,500円

MotionBoard

ウイングアーク1st株式会社のBIツール・MotionBoardの魅力は、デザインとテンプレートが豊富なこと。ドラッグ&ドロップとプログラミング不要なGUIのみの直感的な操作ながら、業種や業務のニーズに合わせた高度なダッシュボードを作ることができます。

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無償トライアル Salesforce上のMotionBoard Cloud、または MotionBoard Cloud
クラウド(10ユーザー) 30,000円/月~
パッケージ(10ユーザー・初年度の年間保守込) 230,0000円~

GoodData

40,000社以上の利用実績を持つ、株式会社サムライズのBIツールです。豊富なテンプレートで使いやすいダッシュボードがすぐに作れるほか、要望を出せばデータに合わせたカスタマイズをしてくれるのが魅力。iPad用アプリの無料配信もしているので、逐次データの確認ができるのも強みです。

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標準パック(標準保守込)40,000円/月~
まるごとおまかせパック(標準保守込)100,000円/月~

redash

オープンソース方式の無料ダッシュボードツールです。ブラウザ上からUIを見ることができるうえ、オープンソースなので対応できるデータも非常に豊富なのが特徴。Pythonのコードを直接実行することもできるため、幅広いケースに対応して使うことができます。セットアップを含め、データ可視化までの手間が少ないのも魅力でしょう。

ただ一方で、オープンソースであるがゆえに仕様変更のサイクルが早く、キャッチアップを続けるためにはある程度の知識が必要となります。

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metabase

redashと同じく、オープンソース方式の無料ダッシュボードツールです。redashと比べて使用できるグラフの形式が豊富で、よりさまざまな方法でのビジュアライズが可能です。

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②Excelで作成する

MicrosoftのExcelでダッシュボードを作るとき、ただ複数のテーブルやグラフを並べただけでは使い勝手のいいとは言えません。複数のデータを連動させ、さまざまな視点から分析ができる結果を、一度に出せるようにする必要があります。

以下、主な手順です。

  1. データベースのピボットテーブルを新しいシートに作成する
  2. 別のデータベースのピボットテーブルを、同じシートに並べる(複数ある挿入したい場合は繰り返す)
  3. 各ピボットテーブルに適したグラフを、任意のサイズ・書式を選択して配置
  4. スライサーとタイムラインを挿入
  5. 各スライサーとタイムラインを接続

3.ここに注目!ダッシュボードを作るときのポイント

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ダッシュボードの作成には、BIツールを利用するか、Excelを使うかの2種類があります。

前者は、簡単な操作ながらグラフィカルなダッシュボードが作れるのがメリット。後者はローコストで済むものの、使い勝手に物足りなさがあるため選ばれることはあまりありません。

最後に、ダッシュボードを作成するときのポイントや、BIツールならではの注意点をご紹介します。

①作成時のポイント

利用者を想定する

第1章で見てきたように、ダッシュボードの内容は利用する人がリーダーやエグゼクティブなのか、各部署の担当者なのかによって大きく変わります。ユーザー属性を見極め、作成の目的を明確にしてください。

適切なデータを揃える

売上や契約状況がわかる指標、現状の把握と予測ができる指標など、利用者の意思決定をサポートするデータを揃えます。ドリルダウンが必要かどうかも考察するとスムーズです。

見やすい画面を構成する

データが決まったら、棒グラフや円グラフなどデータを可視化するのに最適なグラフ形式を選び、画面に配置します。数字やテキストの大きさや色合いの調節、動的効果の付加なども、このタイミングで検討するといいでしょう。

②BIツールで利用するときの注意点

BIツールの場合は、コストがかかっている分、より慎重に作成しなければなりません。いざ作成したものの、使い勝手が悪く変更ばかりしていれば、その時間分だけ無駄が発生してしまいます。

どういったダッシュボードであれば長く使い続けられるか、現場とコミュニケーションを取りながら検討し、作るようにしましょう。

4.まとめ

  • ダッシュボードは、さまざまなデータをひと目でわかるようにまとめ、グラフィカルに表示してくれるツール。
  • 導入にはBIツールを使って作成するのが一般的。Excelで自作する方法もあるが、ビジュアルに物足りなさも。
  • ダッシュボードを作るときは、コストを無駄にしないために現場とのコミュニケーションを大切にする。

おわりに

ダッシュボードは、基本的にBIツールとセットのものです。
従って導入時には、BIツールそのものについても一考する必要があります。BIツールを詳述した記事もあわせてチェックするようにしてください。